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問題解決のためのコンサルタント脳のつくり方
【第12回】 2008年3月10日
著者・コラム紹介バックナンバー
塩野 誠 [コンサルタント]

厳しい交渉のときは、あえて交渉を楽しんでみる
交渉力を磨く PART(1)

 精緻な分析も創造的なアクションプランも、実行に移せなければ何の意味もありません。口先だけで評論する人はいくらでもいます。また、コミュニケーションが下手なために、せっかくのアイディアが通らなかったり、不利な条件に従わされたりするのは非常にもったいないことです。

 交渉に苦手意識を持つ方は結構多く、できることならあまり激しく交渉したくないという方も多いようです。「たぶん相手もわかってくれるだろう」と信じ込み、コミュニケーションを怠けてしまう人もいます。

 しかしながら、たとえば家族や恋人同士でさえ、なかなか言いたいことが伝わらないこともあるのですから、全くの他人に理解してもらうのは非常に難しいことだと考えるべきでしょう。ビジネスの現場では、価値観の全く異なる国の人と交渉することはいくらでもあることです。

 交渉は、ビジネスにおいて計画を実現するために避けては通れないものです。しかし、なかなか交渉方法の訓練を受ける機会は少ないもの。ここでは、プロフェッショナルが知っておくべき交渉のポイントを脳にインストールしましょう。

 以前、私がある米国の企業を買収するために、その企業のオーナーと買収価格の交渉をしていたときのことです。大きく開いていた買い手と売り手の価格が、少しずつ歩み寄ってきましたが、最後の細かい数字について緊迫した交渉が続いていました。

 すると、多くのビジネスを経験してきたであろう年配のオーナーが、「じゃあ、価格はブラックジャックで決めよう」と言い出したのです。

 私は一緒に交渉していた同僚と顔を見合わせました。私も英語が堪能な同僚も、最初は意味がわからず、新しい買収方法の提案なのかと思ったのです。その後、オーナーが「(トランプの)カードはないかな?」と言ったので、やっと理解することができました。

 その交渉は、ヨットが横付けされた人口島にある彼の自宅で行われたのですが、このオーナーは交渉を楽しみながらここまでビジネスをやってきたのだなと実感しました。ブラックジャックの話で、自分に余裕があるところを私達にアピールしたかったのかとも思いました。

 厳しい交渉が続くときには、一歩引いて余裕を取り戻し、交渉を楽しむことも大切です。相手も人間、こちらも人間です。ギリギリの交渉では、肩書き・学歴、何も関係ありません。交渉相手の目を見て自信を持って交渉を楽しみましょう。

【INSTALL:ここを脳にインストール!】

■交渉はビジネスに必要な学ぶべきスキルである
■交渉に疲れてきたら、一歩引いて余裕を取り戻すように心がける

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塩野 誠 [コンサルタント]

1975年生まれ。シティバンク銀行、ゴールドマン・サックス証券、べイン&カンパニー等で事業戦略の立案や実行、M&A・投資業務等を担当。現在は非営利団体である企業価値戦略研究会に所属。その活動とともにコンサルタントとして国内外の企業に対し幅広い提言と講演を行っている。


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