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鈴木寛「混沌社会を生き抜くためのインテリジェンス」

主流は私立発のITから国立発のバイオへ
盛り上がる「大学ベンチャー」の課題

鈴木寛 [文部科学大臣補佐官、東京大学・慶応義塾大学教授]
【第35回】 2015年8月1日
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東大生の進路が起業も含め多様化
ベンチャー企業価値が1兆円突破

2010年頃から“研究開発型ベンチャー”の機運が高まってきている

 こんにちは、鈴木寛です。

 東大生の卒業後の進路といえば、文系なら卒業後は官僚やメガバンク、総合商社というのが、かつては定番でした。近年は外資系金融機関やコンサルティング会社志向となり、あるいは以前私も論評した新興企業に飛び込む学生も増えているなど、多様化が進んでいます。

 そして、最近は起業も選択肢として増えており、大学発ベンチャーが勢いづいています。教員が関わっているケースも含めますが、東大関連のベンチャーで先日、日経新聞のこのニュースが注目を集めました。


東大関連ベンチャー200社突破
企業価値1兆円超え

 東京大学の特許や人材を生かして創業した「東大関連ベンチャー企業(VB)」が200社を突破、合計の企業価値が1兆円を超えた。同大産学連携本部が調べたもので、関連VBの株式上場などで東大の特許収入は2013年度に過去最多の6億円超になった。大学の知的財産を活用した産業創出は政府の成長戦略の一つで、「知」で稼ぐ動きはさらに広がりそうだ。

 東大が関連VBの規模を算出したのは初めて。大学の特許や研究成果をもとに起業した「大学発VB」に、(1)学生が創業(2)教員が役職員を兼務(3)東大系ベンチャーキャピタル(VC)が出資――の事例も加えた。4月上旬時点でミクシィ、バイオ食品のユーグレナ、医薬品のペプチドリームなど上場企業16社、非上場208社の計224社だった。5年前の約2倍だ。上場16社の時価総額は計9600億円超。非上場会社は直近のVCからの資金調達額を基に企業価値をはじき、合わせて約1兆3千億円となった。(15年6月30日・日経電子版)


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鈴木 寛 [文部科学大臣補佐官、東京大学・慶応義塾大学教授]

すずき・かん/元文部科学副大臣、参議院議員。1964年生まれ。東京大学法学部卒業後、86年通産省入省。2001年参議院議員初当選(東京都)。民主党政権では文部科学副大臣を2期務めるなど、教育、医療、スポーツ・文化を中心に活動。党憲法調査会事務局長、参議院憲法審査会幹事などを歴任。13年7月の参院選で落選。同年11月、民主党離党。14年から国立・私立大の正規教員を兼任するクロス・アポイントメント第1号として東京大学、慶応義塾大学の教授に就任。同年、日本サッカー協会理事。15年2月から文部科学大臣補佐官として大学入試改革などを担当している。


鈴木寛「混沌社会を生き抜くためのインテリジェンス」

インテリジェンスとは「国家安全保障にとって重要な、ある種のインフォメーションから、要求、収集、分析というプロセスを経て生産され、政策決定者に提供されるプロダクト」と定義されています。いまの日本社会を漫然と過ごしていると、マスメディアから流される情報の濁流に流されていってしまいます。本連載では既存のマスメディアが流す論点とは違う、鈴木寛氏独自の視点で考察された情報をお届けします。

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