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エコカー大戦争!

なぜいま自動車産業界でイスラエル企業が注目されているのか?

桃田健史 [ジャーナリスト]
【第210回】 2015年7月31日
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地中海に面した商業都市、テルアビブ。海岸線には高層マンション、海岸線から2~3kmの高速道路周辺には高層オフィスビルの建築が進む Photo by Kenji Momota

ついに、イスラエル初体験
“勝手な思い込み”の反動

 北カリフォルニアでアウディの自動運転車を体験した後、成田で1日半トランジットし、イスタンブール経由でテルアビブに入った。

 これまで何度も訪問を考えたイスラエルたが、仕事のタイミングが上手く合わなかったこと、また“勝手な思い込み”によって実現できなかった。“勝手な思い込み”とは、日本人の多くが抱くイスラエルに対するカントリーリスクだ。

 実際、今回の1週間の滞在中、eメールやSNSを通じて仕事関係や知り合いと連絡をすると必ず「十分に気をつけてください」「大丈夫ですか?」といった声が多くあった。

 隣国シリアではIS(通称イスラム国)の活動を含む同国内戦に対して、解決の糸口は未だに見えない状況だ。また、1年前はパレスチナ自治区のガザ地区を実質的に支配するイスラム過激派組織ハマスとの戦闘が激化。ハマス側は数千発のミサイルやロケット弾をテルアビブの中心部を含むイスラエル各所に向けて発射。それにイスラエルがアイアンドームと呼ぶ地対空ミサイル戦略で応戦した。その時期、テルアビブ市街中心部では空襲警報によって防空壕に避難することが日常茶飯事となった。ハマスとの完全停戦合意がなされた今回の滞在期間中でも、日本の外務省の海外安全ホームページでは、渡航に関する情報として、イスラエルの全土が「十分に注意してください」の黄色表示、テルアビブから西部、エルサレム周辺等には「渡航の延期をお勧めします」のオレンジ色表示だった。

テルアビブの高速道路。イスラエル国内は4号線等、ごく一部を除き通行料は無料。走行する車両は欧州と日本の小型車が多い。各地で地元の人に聞いたが、最近人気のブランドはマツダだという Photo by Kenji Momota

 こうした直近の出来事を踏まえると、日本人だけでなく国際社会のなかで「イスラエル=危ないところ」というイメージを持つことは、致し方ないと思う。

 だが、実際にテルアビブ、エルサレム、そしてハイフォ等のイスラエル各所を筆者自身でレンタカーを運転して巡ってみたが、多くの観光客やビジネス関係者がイスラエルの魅力を楽しんでいるように見えた。そして、筆者自身が「とても楽しい」と思った。

 日本人の99%が生涯で一度も訪れることのない国。そう比喩されるイスラエル。筆者の素直な感想は「食わず嫌いだったな」である。

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桃田健史 [ジャーナリスト]

日米を拠点に世界各国で自動車産業の動向を取材するジャーナリスト。インディ500、NASCARなど米国レースにレーサーとしても参戦。自動車雑誌に多数の連載を持つほか、「Automotive Technology」誌(日経BP社)でBRICs取材、日本テレビでレース中継番組の解説などを務める。1962年生まれ。著書「エコカー世界大戦争の勝者は誰だ?」好評発売中


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