スターバックスコーヒー、イケア、セブン&アイ・ホールディングス、楽天、星野リゾート、俺のイタリアン、LINEなど、一流の経営者たちが大事にする「数字の極意」を分析し、経営を強くする秘訣を提示する連載。第5回は、あなたの会社にとっての優良顧客とそうでない顧客を見極める「顧客マトリックス」の使い方について説明します。

あなたの会社に利益をもたらしてくれる
優良顧客は誰ですか?

  前回、説明したNPS(ネット・プロモータースコア、あるいはシステム)という好感度を縦軸に、販売実績(顧客の購入実績)を横軸にして、顧客を分類します。「半分の顧客」を見極めていこうという工夫が、以下の図表の「顧客マトリックス」というフレームワークです。

「顧客マトリックス」で有望顧客とそうでない顧客を選別する

 中でも一番大事にしなければいけないのは、図表の右上ゾーンの「A社」です。「A社」は、忠誠度が高く、販売実績もある、望ましい既存顧客だからです。

 利益をもたらしてくれるお得意様は、絶対に手放してはいけません。今まで以上に、ドンドン売らせていただく、顧客をさらにファンに育てる戦略が必要だと言えます。

 ファンになってくれた顧客は、「あの会社の、○○という商品、かなりいいよ!」というように、ドンドン新しい顧客を引き寄せてくれる効果も期待できます。ファンは大事にしなければいけません。