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今週のキーワード 真壁昭夫

キヤノン「完全自動化工場」で見えた
日本経済の明るい未来

真壁昭夫 [信州大学教授]
【第389回】 2015年8月11日
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キヤノンだけではない自動化の流れ
少子高齢化の進むわが国には重要な動き

キヤノンの工場完全自動化が話題だ。同様の取り組みは他社でも進んでいる
Photo:Hiroyuki Ooya

 わが国を代表する企業の一つであるキヤノンは、2018年を目途に国内のデジタルカメラ生産を完全自動化の工程に変える予定だ。

 大分の生産子会社内に約130億円を投じて、AI(人工知能)を持ったロボットなどによる生産技術を研究・開発する拠点を創設する。そこで開発するロボットなどを使って、熟練技術者の技術を自動生産ラインに置き換える。生産コストは約20%削減できる見通しだ。

 そうした生産自動化の流れは、キヤノンの他に三井造船や三菱重工業などの重工業、オムロンなどの医療品分野、さらにはキユーピーなど食品部門にも及んでいる。生産の自動化によって、多くの分野で企業の国際競争力が上昇することが期待できる。

 また今後、人口減少、少子高齢化が急速に進むわが国にとって、労働力をロボットなど機械に代替できることは重要なメリットをもたらす。

 ロボットは、わが国企業が優位性を維持している分野の一つであり、今後、革新的な技術開発や新製品などが生み出される可能性がある。大規模なバブル崩壊の後、新しい分野への展開に尻込みをしてきた企業にも、ようやく、生産技術のイノベーション=革新として期待が持てる胎動が顕在化してきたといえる。

 ただ、そうした開発を進めているのはわが国企業ばかりではない。国際的な厳しい競争の中で、どれだけ優位性を発揮できるか。今後の展開が注目される。

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真壁昭夫 [信州大学教授]

1953年神奈川県生まれ。一橋大学商学部卒業後、第一勧業銀行(現みずほ銀行)入行。ロンドン大学経営学部大学院卒業後、メリル・リンチ社ニューヨーク本社出向。みずほ総研主席研究員などを経て現職に。著書は「下流にならない生き方」「行動ファイナンスの実践」「はじめての金融工学」など多数。


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