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黒い職場の事件簿~タテマエばかりの人外魔境で生き残れるか? 吉田典史

「みんな、早く離婚してしまえ!」
結婚できないアラフォー課長の逆恨み日記(上)

吉田典史 [ジャーナリスト]
【第28回】 2015年8月18日
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理想の女性に巡り会えず、悶々とする独身男性は多い。日常業務のストレスもあり、彼らはいつしか周囲の幸せな結婚に恨みを抱くまでに妄想を膨らませることがある。似たような人はあなたの職場にもいないだろうか(写真の人物は本文とは関係ありません)

 「婚活」を取り上げる際、メディアは婚期が遅れがちな男女を対象にして、「かわいそうな人たち」というイメージを醸成する企画づくりをすることが多いように思える。あるいは、婚期が遅れている男女の親を登場させ、「今どきの若者は……」というコメントを紹介するなど、面白おかしく報じることもある。

 実際、婚活にいそしんでいる人たちの本音はどうなのだろうか。今回は、アラフォー(40歳)一歩手前となった1人の男性から聞いた話を紹介しよう。この男性は「結婚相談所」に入り、見合いを通じて婚活をしているものの、思い描いていたようには、スムーズにことが運ばないようだ。

 職場では、「出世頭」として早々と課長になり、そこそこの活躍をしている。だが、その裏には不満が溜まっている。見方を変えれば、この結婚できない男性は、鬱屈した今の30代会社員の1つのモデルケースのように見える。読者諸氏はどう感じるだろうか。


いつまでも噛み合わない会話
中年男女の寒々しい見合い風景

 ここは、JR新宿駅西口から徒歩で10分ほどにある高級ホテルのラウンジ。2人は、「結婚相談所」を運営する会社の会員である。お見合いをしているはずなのだが、言葉が噛み合わない。

 村田(39歳)は、2時間の間、何度も途中で席を立とうと思った。テーブルを隔てて座る30代前半の女性が、自分の言葉にいちいち反論することに対して、気が滅入っていた。

 「僕は転勤はもう、嫌だな……」

 「そうですか……誰もが、嫌でしょう」

 「……」

 「犬を飼っているんですね? かわいいでしょう?」

 「かわいいから、飼っているんです……」

 「……」

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吉田典史 [ジャーナリスト]

1967年、岐阜県大垣市生まれ。2006 年からフリー。主に人事・労務分野で取材・執筆・編集を続ける。著書に『あの日、負け組社員になった・・・』『震災死 生き証人たちの真実の告白』(共にダイヤモンド社)や、『封印された震災死』(世界文化社)など。ウェブサイトでは、ダイヤモンド社や日経BP社、プレジデント社、小学館などで執筆。


黒い職場の事件簿~タテマエばかりの人外魔境で生き残れるか? 吉田典史

 ここ10数年の間に社会環境が大きく変わり、人々のホンネとタテマエに対する価値観が揺らぎ始めている。それを具現化しているのが、今の企業の職場ではないだろうか。これまでは、ホンネとタテマエが絶妙にバランスしながら、人間関係が維持されてきた。しかし、企業社会において生き残り競争が激化し、「他人より自分」と考えるビジネスパーソンが増えるにつれ、タテマエを駆使して周囲を蹴落とそうとする社員が増えている。

 誰もが周囲を慮らなくなり、悪質なタテマエに満ち溢れた職場の行きつく先は、まさしく人外魔境。そこで働く社員たちは、原因不明の閉塞感や違和感、やるせなさに苛まれながら、迷える仔羊さながらに、次第に身心を蝕まれて行く。この連載では、そうした職場を「黒い職場」と位置づけ、筆者がここ数年間にわたって数々のビジネスパーソンを取材し、知り得たエピソードを基に教訓を問いかけたい。

「黒い職場の事件簿~タテマエばかりの人外魔境で生き残れるか? 吉田典史」

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