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小川たまかのダイバーシティ・ホンネとタテマエ

「セクハラされたら逆にそれを利用しろ」の構造

小川たまか [編集・ライター/プレスラボ取締役]
【最終回】 2015年8月31日
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飲み会では
セクハラされても当たり前?

 数年前、20代の女性からこんな話を聞かされたことがある。その女性は、あるビジネス系のセミナーに参加していた。半年ほどにわたるセミナーで、その間、参加者や講師が集まる飲み会が何度か開かれたという。

「飲み会に来る時点でセクハラOK」なわけがない

 何度目かの飲み会が行われた後で、ある女性が運営側に、講師のセクハラを訴えた。講師から飲み会で体を触られたり、プライベートな連絡先に頻繁に着信やメールがあり、拒絶しても続くので困っているというものだった。20代の女性は私に、その顛末についての感想をこう語った。

 「でもはっきり言って、女性の方でも覚悟が必要じゃないですか? 飲み会に来てる時点で。子どもじゃないんだから、そういうこともあるって割りきらないと。セクハラっぽい言動があっても、むしろそれを利用するぐらいの気持ちじゃないとのし上がれないですよ。セクハラがキモかったのはわかるけど、いちいちそうやって言い立てるって、なんか嫌な感じ」

 もう少し詳しく話を聞こうと思ったのだが、彼女と会話できる時間はそこで終わってしまった。とりあえずは私とは考え方の違う彼女の話を、なんとか自分なりに好意的に解釈してみようと思った。

 飲み会に男女が出席することはわかっていたはずだし、講師からの好意にも、もしかしたら多少気づいていたかもしれない。彼女がそこまで言うからには、自分から講師の気を引く素振りがあったのかも? ……いや、それでもやっぱり、「男女が集まる飲み会=セクハラされて当たり前だから覚悟して来い」はあまりにも時代錯誤だし、セクハラをセクハラだと訴えるのは彼女の自由のはず。

 もし「飲み会に来る時点でセクハラOKです」というルールが存在するのだとしたら、それをセミナーの募集要項に書いておけばいい。それは暗黙の了解だ、はっきり言うのは野暮だから大人なら阿吽の呼吸で理解しろということか。

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小川たまか [編集・ライター/プレスラボ取締役]

1980年・東京品川区生まれ。フリーランスとして活動後、2008年から下北沢の編集プロダクション・プレスラボ取締役。働き方、教育、ジェンダー、性犯罪などを取材。ツイッターアカウントは@ogawatam


小川たまかのダイバーシティ・ホンネとタテマエ

今、注目度が高まっている「ダイバーシティ」という概念。多様化・多様性に対して、賛同する意見が多い一方で、否定的な見方があるのも事実。特に日本企業内で取り入れられる場合に、「女性の働き方」の代名詞でも使われることが多くなっている。何か問題が起こったとき、男性を始め、当事者以外の人は実はどう感じているのか?そこから見える日本社会の姿とは?
「ダイバーシティ」をタテマエだけでなく、多彩な角度・観点から本音で論じる。

「小川たまかのダイバーシティ・ホンネとタテマエ」

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