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環境省の“NO”で宙に浮く石炭火力発電計画

週刊ダイヤモンド編集部
2015年9月9日
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経済産業省と環境省の石炭火力計画についての足並みがそろわず、エネルギー各社は先行きが見えないと不安を募らせている 
Photo by Masaki Nakamura、Yasuo Katatae

 「環境省は新たに石炭火力を建設するなら、その分増えるCO2を減らす“担保”を求めているが、“担保”と言われてもねえ……」。経済産業省幹部は困惑を隠さない。

 望月義夫環境大臣は8月28日に東京ガスと出光興産、九州電力の3社が千葉県袖ケ浦市で計画している石炭火力発電所の新規建設計画を問題視し、「現時点では、是認できない」という大臣意見を経産省サイドに送り付けた。

 すでに14日には、中部電力が愛知県で進めている武豊火力発電所の石炭火力へのリプレース計画に対して、同様の大臣意見を提出していた。6月の山口県宇部市の大阪ガスとJ-POWER、宇部興産の3社による発電所建設計画に続き、“ノー”を突き付けたのはこれで3件目となる。

 理由は石炭火力建設が進めば、政府の温室効果ガス削減目標である「2030年度に13年度比で26%減」に整合しなくなるから。7月に電力会社とガス会社など計35社は、強硬な環境省を納得させるために「0.37キログラム/キロワット時」というCO2排出係数目標を策定していたが、達成のための具体策がないため全く相手にされなかった。

 そもそも環境省が求める“担保”とは、今ある石炭火力の閉鎖計画か新規建設計画の撤回など、具体的な温室効果ガス削減策を意味する。しかし、それは電力小売り完全自由化に向けた流れと逆行する。

 石炭火力は現状、最も発電コストが安く安定的な最強の電源だ。自由化市場で料金やサービスで競争していかなければならない事業者にとって、是が非でも確保したい電源だ。

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