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40代からの人生の折り返し方 野田稔

脱サラ起業家がハマる、3つのお金の落とし穴

野田 稔 [一般社団法人 社会人材学舎 代表理事]
【第15回】 2015年9月14日
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会社の売上は、
決して個人所得ではない

安易な起業は要注意!意外なお金の落とし穴はあらゆるところに潜んでいる

 今回から数回にわたって、起業についての話をしたい。まずお話ししたいのは、起業に際して気をつけるべき罠についてだ。

 起業するに当たって最も注意すべきなのは、何をおいてもお金の使い方に他ならない。立派な会社のビジネスパーソンだったあなたが、まず肝に銘じなくてはいけないのは、「所得と会社の売上は同じではない」ということだ。なんと当たり前のことを言うのか、と思われるかもしれないが、実際に個人事業を始めるときの最大の罠がここにある。

 どんな商売であっても、年間300万円から400万円の売上を上げることはそう難しくはない。さらに、この売上がもしも自分個人の所得であるのならば、これだけでなんとか生活をすることもできるだろう。実際、そのように考えている人は少なくない。

 しかし、残念ながら売上はそのまま自分の所得、つまり収入とはならない。会社形態であってもなくても、ビジネスを維持するためにはコスト(経費)がかかるからだ。売上から事業維持のためのコストを引かないことには自分の本当の収入は見えてこない。今までは「天引き」であった社会保険費や税金も、売上の中から払わなくてはならない。

 経費には固定経費と変動経費がある。そして、売上から経費を引いたものが収入(利益)となる。こんな簡単な経理の常識は誰もが知っている。ところが、自分のこととなると、この原則を忘れてしまうものなのだ。

 今、企業に雇われて働いている。一定の給与=収入を得ている。では、会社があなたに掛けている経費はどのくらいあるのだろうか。

 たとえば東京の一等地にオフィスがあり、そこに自分専用のデスクがある。電話も掛けられて、パソコンがあって、メールなども使える。新聞も読めるし、仕事に必要な書籍もある。社員食堂では安くランチが食べられるかもしれない。四季を通じて空調も完備している。これだけの環境を揃えるのに、いったいいくら掛かるかを、一度考えてみてほしい。加えて、社会保険には会社負担分もあるし、あなたのために働いてくれている人々の人件費も目に見えないコストとしてかかっている。

 私は、野村総研を辞める前に、そのことに気がついていた。そこで、野村総研を退社して、個人で同じようにコンサルタントとしての活動をするために自分が負担しなければいけない経費について考えてみた。

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野田 稔 [一般社団法人 社会人材学舎 代表理事]

明治大学専門職大学院グローバル・ビジネス研究科教授/株式会社リクルートホールディングス リクルートワークス研究所 特任研究顧問。野村総合研究所、リクルート社新規事業担当フェロー、多摩大学教授を経て現職に至る。日本テレビ系列「ズームインスーパー」、NHK総合「経済ワイドビジョンe」「Bizスポワイド」、NHKEテレ「仕事学のすすめ」などメディアでも活躍。主な著書に『組織論再入門』『中堅崩壊』(以上ダイヤモンド社)、『二流を超一流に変える「心」の燃やし方』(フォレスト出版)『企業危機の法則』(角川書店)など多数。


40代からの人生の折り返し方 野田稔

40代は時計で言えば、ちょうど昼の12時を回った人生の午前中が終わったばかりだ。人生折り返し、1日に例えれば、午後をいかに過ごすか。黄昏が訪れる前に上手に人生を折り返す方法をこの連載では考える。

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