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なぜ、あの店は生ビールが120円でも儲かるのか?
【第1回】 2015年9月16日
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鬼頭誠司 [経営コンサルタント]

なぜ、あの店は生ビールが120円でも儲かるのか?

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<物語>
 全国に1000店舗を超える外食チェーン「K’s・キッチン」を展開する経営者(中川昌一郎)の娘・あすみは、幼い頃から「将来は父の跡を継ぎたい」との思いを抱いていた。そんなあすみが大学1年生になったとき、昌一郎から「大学4年間をかけて入社試験を行う」と告げられる。試験内容は、昌一郎のもとに寄せられた業績不振の飲食店からの経営上の悩みを、問題を抱えたお店で実際に働きながら解決する、というもの。やがて、あすみと意気投合した親友のはるか(昌一郎とは友達感覚の間柄)も一緒になって、業績不振店の改善に取り組み始める。小さな箱の中に「製造、流通、販売、PR、マーケティング、マネジメント、サービス」などのビジネス要素が詰まった飲食店の中で、人間関係の複雑さや仕事の難しさにぶつかりながら、2人はそれぞれのお店の再生に立ち向かう。

ミッション指令

 「あすみ、ちょっと打ち合わせしたいことがあるんだけど……」
昌一郎がそう声をかけたのは、風が秋の終わりを告げ始めた頃だった。
「何? どうしたの? まさかのミッション?」
「うん。まぁ、そうなんだが、はるかも一緒に打ち合わせしたいんだ」
「そうなんだ。わかった。いつにする? 明日の夕方でよければ『鮪馳(いち)』(あすみとはるかが新規リニューアルで立て直した東京・月島にあるK’sグループの居酒屋。店名は「鮪のご馳走」から)でどう? 私もはるかもシフトに入ってるけど」
「お、いいね。じゃあ16時くらいから打ち合わせしようか」
「いいと思うよ。たまにはお店の様子も見てよ」
「うん、そうするよ。17時から会食が入っているから、そのまま『鮪馳』で飲むことにしよう。3人で予約しておいてくれ」
「了解しました。ありがとうございま~す!」

翌日、昌一郎は打ち合わせがてら月島に向かった。『鮪馳』はリニューアルしてからというもの非常に業績も良く、昌一郎の足取りは軽かった。

 「おはよう。みんないつもありがとう。頑張ってるか?」
「社長! おはようございます! はい、しっかり頑張ってます!」
「お、満園君。どうだ調子は?」
「はい、お陰さまで絶好調です」
「そうか。ここのところ毎月、目標をクリアしているようだな。ご苦労様」
「いえいえ、みんなが頑張ってくれていますからね。勝手にいい感じで達成できているだけですよ」
「その調子で頑張ってくれよ。本社でも話題になっているからな。もしかしたらチェーン展開になるかもしれない」
「え? マジっすか? あざーす!」
「元気が良くていいな! 今日は頼むぞ。大事なお客さんだから恥かかせないようにしてくれ」
「はい、喜んで!」
「ホントに居酒屋が板についてきたな」

昌一郎は嬉しそうな目で微笑んだ。ファミリーレストランが主体であるK’sには、それまでこんな居酒屋風の挨拶は存在しなかっただけに、昌一郎には満園の言葉が新鮮に思えた。
 

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鬼頭誠司 [経営コンサルタント]

1971年、名古屋生まれ。愛知大学法学部卒。大学時代から名古屋市内で居酒屋を始め、日商6000円から月商900万円まで伸ばす。その後、多店舗展開をして13年間で20店舗、年商20億円を達成するも、2006年に事業売却。その後、経営コンサルタントに転身し、中小飲食店をはじめ大手チェーン、リゾートホテルグループほか、飲食店やホテルなどにコンサルタントとして関わった総店舗数は1000店舗を超える。著書に『飲食店完全バイブル 多店舗化の極意』『飲食店スタッフ養成ドリル【初級編】』『あなたのお店のスタッフは、なぜ暴走するのか?』(すべて日経BP社)などがある。


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2人の女子大生による「居酒屋再建物語」を読みながら「儲かる会社・組織・チームの作り方」「目的、ビジョン、経営理念の大切さ」などが身につくビジネス・ストーリー。著者が居酒屋経営者や経営コンサルタントとして体験&実践したこと、独自のスタッフトレーニング法、繁盛する飲食店のあるべき姿などを描く。業種を問わず、ビジネスで成功するためのスキルやアイデアが満載。本連載では、2015年9月10日に刊行された書籍『なぜ、あの店は生ビールが120円でも儲かるのか?』(ダイヤモンド社)のサイド・ストーリーである「外的要因で苦しむ焼き肉店を救え」を掲載する。

「なぜ、あの店は生ビールが120円でも儲かるのか?」

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