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400円のマグカップで4000万円のモノを売る方法
【第2回】 2015年9月16日
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髙井洋子

儲けるなんて、簡単よ!と言える理由

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儲かっている会社の共通点、それは努力で儲けているのではなく、「儲かる仕組み」があります。
「儲けるなんて、簡単よ」これが口癖の敏腕経営コンサルタントの遠山桜子、45歳。彼女がふとしたきっかけで知り合った、つぶれかかったカフェの店長に「儲ける仕組み」とは何かを、具体的な事例とともに解説するというストーリー。今回、3回連続の第2回目です。

儲けるなんて、簡単よ!と言える理由

遠山桜子は「カフェ・ボトム」のスープカレーが気に入っていた。

まったくこの辺りときたら、夜11時を過ぎるとどこも空いている店がない。空港からタクシーで芝公園インターチェンジまで20分、出張の多い桜子にとってはこの抜群の立地が気に入って、インター近くにオフィスを構え、近くの高級タワーマンションの賃貸契約をした。
しかし、仕事場はともかく、「暮らす」という面では少々不便な街だった。少なくとも早朝から深夜まで縦横無尽に駆け回る桜子にとっては。

初めて「カフェ・ボトム」を訪れたあの夜も、出張帰りにオフィスへ寄っていたら、すっかり遅くなってしまったからだ。食事のタイミングがなくて昼から何も食べていない。麻布に出るのも面倒だし……そう思っていたとき、いつもは通らない路地にふと目をやると、一軒灯りがともっているのに気がついた。

 「こんなところにカフェがあったなんて」

およそ、桜子がふだん立ち寄るような店ではない。おそらく昔ながらの喫茶店だったところを居抜きで借りたのだろう。ドアや路面の窓に、純喫茶の名残りがある。
何か食べられるなら、と思って入ってみたものの、店はダウンライトのみで薄暗い。取り立てて特徴のないテーブルと椅子、取り立てて特徴のない壁、取り立てて特徴のないカウンター、まだ若いのにちょっと疲れた感じのマスター。

しかし、ここのスープカレーは絶品だった。正直びっくりした。午前0時を回っていたのにうっかり全部平らげてしまったほどだ。それなのに、翌朝まったく胃にもたれない。むしろ、スパイスの効果か、むくみもなくスッキリした気すらした。
あのスープカレーは、マスターが研究を重ねてつくっていると言っていた。よく見ると、笑うと八重歯とえくぼがちょっとかわいい青年だった。青年といっても、30歳ぐらいだろうか。

(ヒゲなんか生やしてるけど、あれは童顔を隠すためね)

桜子は彼の顔を思い出した。店はあの様子では苦しいに違いない。おそらく長くは続かないだろう。

もったいないな。あのスープカレーを武器にすれば……。
「儲けるなんて、簡単なのに」

オフィスのデスクで仕事の手を止め、ついそう口に出してしまった桜子のつぶやきを、隣にいた社員の河田勇人が聞いていた。

 「桜子さん、ついに独り言ですか、その口癖」
「えっ?」
「儲けるなんて簡単だ、って」
「え、ああ。ちょっとね。もったいないカフェがあって」
河田がニヤッと笑う。
「またそれですか? 桜子さん、ほんとに仕事以外のときでも、儲かるビジネスモデルのことで頭がいっぱいなんだから」
「そりゃ、そうよ。世の中なんでこんなに何にも考えないで経営してる人が多いのかしらね」
 

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400円のマグカップで4000万円のモノを売る方法

儲かっている会社の共通点、それは努力で儲けているのではなく、「儲かる仕組み」があります。 「儲けるなんて、簡単よ」これが口癖の敏腕経営コンサルタントの遠山桜子、45歳。彼女がふとしたきっかけで知り合った、つぶれかかったカフェの店長に「儲ける仕組み」とは何かを、具体的な事例とともに解説するというストーリー。今回の連載では、最初のさわり部分を紹介します!

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