偏差値30、学年ビリのヤンキーが、倍率約8倍の法科大学院に合格、日本最難関の試験に一発合格した勉強法をまとめたのが、9月18日発売の『ずるい暗記術』。理解もせず、ノートも使わず、時間が短いほど効果の表れる勉強法は、資格試験、英語、大学受験、入社試験ほかで効果を発揮します。
「ずるい暗記術」誕生の瞬間から完成形を迎えるまでを、2回に分けて紹介します。

必要なのは「過去問」と「参考書」と「本」だけ

前回は、「ずるい暗記術」の誕生を紹介しました。同じ勉強法で、私は立命館大学法科大学院の既修試験(2年コース)に合格しました。そのときの倍率は約8倍。

 10年以上勉強している人たちも法科大学院の入試に落ちているなかで、またもや3ヵ月の勉強で受かってしまったことに、私は内心鼻高々でした。ところが、ここでまた挫折が訪れます。

 法科大学院の授業は、先生の質問に答えながら学んでいく「対話形式」でした。理解していない私はまったく答えられず、また参考書や教科書をやる正攻法の勉強に戻ってしまったのです。私にとって、これは大きな痛手でした。

 おそらくこの勉強法だから、成績を落としている人は多いはずです。

 成績はさらに落ち、司法試験まであと5ヵ月。この時点での司法試験の合格率は5%未満でした。「この1年半でなんでこんなにダメになってしまったんだろう?」と自問自答し、「私に合った勉強法はこれじゃない!」と、あの勉強法を思い出したのです。

「まず合格。受かったあとで苦労すればいい」と、過去の問題集(過去問)を繰り返し、参考書と本で知識を補うというやり方に変えました。私にとっては、こちらのほうが授業で覚えるよりもはるかに有効でした。

ラクして勉強するには、
「スピード暗記」がすべてだった

 はっきり断言します! 暗記さえできれば、どんな試験でも合格できます。そして試験では、瞬時に思い出す作業が最重要。だから、暗記をするときには、スピードも意識するようにしていました。

 できるだけ短い時間で過去問をたくさん見ることのほか、速読にも挑戦しました。

 今までやってきた問題集や参考書を1ページ1秒くらいの速さで読んでみると、いろいろな記憶が面白いように紐づけされ、浮かび上がってきます。

 散歩に出たり、友達と会話したりするなかでさらに覚えた知識は定着していき、ここまでくるともう楽しくて仕方がありません。

  この「過去問を使った速読」は、もしかしたらすごい勉強法かもしれない、と自分でも思ったものです。試験前日も参考書をパラパラとめくるだけ。試験本番も普段から短い時間でやる訓練をしていたため、余裕をもって臨むことができました。そして、司法試験5ヵ月前に合格率が5%未満であった私が、なんと民事系科目上位5%以内というトップクラスの成績で司法試験を1回で突破したのです。