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TPPの最重要点は関税ではなく「ルール統一」にある

真壁昭夫 [信州大学教授]
【第398回】 2015年10月13日
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TPPの下で企業や産業は生き残りを懸けた競争に臨まなければならない

 10月5日、わが国や米国など12ヵ国が参加する、TPP=環太平洋戦略的経済連携協定が、約5年半の交渉を経て大筋で合意した。今後は、参加国の国会・議会が協定を批准する手続きに入ることになる。

 今回の大筋合意の意味は小さくはない。日米を中心とした太平洋を取り巻く12の国が、関税撤廃だけではなく知的財産権や環境保護まで含めて、31分野の広い範囲の経済活動について、明確なルールを作ったことに大きな意味がある。

 今まで、国によっては商慣習が異なったり、国有企業を優先したりする傾向が強いため、時にわが国企業などが理不尽な扱いを受けることもあった。そうした国ごとの“バラつき”が、協定に参加する諸国では少なくなる=一定のルールに収束することが期待できる。

 それは、わが国だけに限らず、多くの諸国にとって長期的にプラスに作用するだろう。特に、わが国のように天然資源に恵まれず、人口減少・少子高齢化のステージを迎える国にとって大きなメリットになる可能性は高い。

 一方、TPPは基本的に、参加国間の壁を低くして、国同士の人・モノ・金などのフローを促進する仕組みであるため、企業間の競争は激化することが予想される。競争が激化するということは、生き残るための戦略や努力が一段と重要性を増すことになる。

 つまり、TPPの下で産業や農業はより強くなることが求められる。国際競争力を高めることは口で言うほど容易ではないだろう。しかし、強くならないと生き残れない。

 企業の高い技術力や国民の勤勉性を考えれば、苦しい局面はあるかもしれないが、必ず道は開けるはずだ。わが国が強くなるきっかけと考えた方がよい。

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真壁昭夫 [信州大学教授]

1953年神奈川県生まれ。一橋大学商学部卒業後、第一勧業銀行(現みずほ銀行)入行。ロンドン大学経営学部大学院卒業後、メリル・リンチ社ニューヨーク本社出向。みずほ総研主席研究員などを経て現職に。著書は「下流にならない生き方」「行動ファイナンスの実践」「はじめての金融工学」など多数。


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