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山崎元のマネー経済の歩き方

正しい投資教育をいつ誰がやるか

山崎 元 [経済評論家・楽天証券経済研究所客員研究員]
【第126回】 2010年4月26日
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 金融機関による投資教育をひと言でたとえるなら、カモ(=いいお客)の養殖ということになる。

 老後に備えた資産形成の重要性に異議はないし、金融機関(あるいは金融機関系の会社)が提供する知識にも正しいものはある。しかし、ではないが、金融機関が提供する投資教育は、「正しくない」知識を教えることがあるし、金融商品の選択では手数料を重視すべきだといった、顧客側にとっては決定的に重要でも金融機関側にとって不都合な知識を「教えない」ことがしばしばある。

 金融機関が投資教育のスポンサーになることで、教育内容がどうしても金融機関側の利害に影響を受けてしまう。民放がスポンサーの商品を批判できないのと一緒だ。金融機関とまったく無関係な主体が投資教育を実施するほうが明らかにいいのだが、現実的に難しい問題がいくつかある。

 大きな問題は予算と人材だ。

 投資教育をやるといっても、カリキュラムと教材を作り、場所を確保し、講師を確保するとなると、そうとうのおカネがかかる。自分のための教育なのだから、教育を受ける側が払ってくれるといいのだが、すでにおとなになった人におカネと時間の両方をかけてもらうのは大変だし、金融機関が提供する無料ないし安価な投資教育があれば、こちらになびきそうだ。

 投資教育を実施する業者の立場で考えてみるとしても、自分で各種の準備から受講生の募集までやらなければならないビジネスよりも、金融機関と契約するほうがビジネス上は簡単であり魅力がある。

 いっそのこと、金融庁が金融機関を検査する際に、投資教育で嘘を教えていないかをチェックすることも想像してみたが、これは明らかにスマートでないので却下。

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山崎 元 [経済評論家・楽天証券経済研究所客員研究員]

58年北海道生まれ。81年東京大学経済学部卒。三菱商事、野村投信、住友信託銀行、メリルリンチ証券、山一證券、UFJ総研など12社を経て、現在、楽天証券経済研究所客員研究員、マイベンチマーク代表取締役。


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