【資産50億円の個人投資家が教える】働きながら29歳で“億り人”になれたワケ
働きながら株で資産50億円を築いた“本当に儲かる3つの投資術”を初公開――余命宣告を受けた医師 兼 個人投資家の父が愛娘に捧げる著書『50万円を50億円に増やした 投資家の父から娘への教え』(ダイヤモンド社)。4度の手術を経て、49歳で肺と肝臓へのがん転移が判明。主治医からは「50歳は迎えられても51歳はわからない」と宣告された著者が、50万円を50億円に増やした投資法を愛娘に向けて全力指南。再現性の高い3つの投資法をマスターすれば、忙しく働きながらも「一生困らないお金」を稼げるようになる。「人生の集大成として、出し惜しみ無しで、魂を込めて書きました」(著者より)。
※本稿は『50万円を50億円に増やした 投資家の父から娘への教え』(ダイヤモンド社)より一部を抜粋・編集したものです。

医師国家試験、ついに合格
不合格となった1年後、医師国家試験に無事合格した。
合格すると、通常2年間は研修医として、とても忙しい日々を送ることになる。だから、株なんてやる余裕はないし、やってもいけないだろうと思っていた。
「寝かせておける株」を探した理由
そこで、こう考えた。
「じゃあ、研修医の2年間は売買せず、寝かせておける株を買っておこう」
目をつけたのは「金鉱株」
研修医の超多忙な日々が始まる前、その観点で買ったのが、オーストラリアの「金鉱株」だった。
金鉱株というのは、金(ゴールド)や貴金属の採掘や精錬をする会社の株式のことで、「産金株」とも呼ばれる。
当時はゴールド1トロイオンス(約31g)を掘るのにかかるコストが500ドルくらい。
これに対して売るときは1トロイオンス300ドルくらいでしか売れない状態にあった(ちなみに「トロイオンス」という見慣れない単位は、金・銀・プラチナなど貴金属の計量に使用される)。
採算度外視の現場にチャンスあり
つまり、掘れば掘るほど、大きな赤字になるという異常な状況だった。
でも、採算がとれないからといって、世界中の金鉱山が閉鎖されるかといえば、それはあり得ないだろう。
ということは……
「いずれゴールドの価格が上がっていくことは間違いない。だから、いまゴールドの鉱山の権利を保有する会社の株を買えば、研修医の2年間で上がるはずだ」と考えた。
600万円を金鉱株に集中投資
そこでいろいろ調べた結果、当時赤字で株価が下がっていたオーストラリアの金鉱株に目をつけ、資金を投入した。
このとき入れたのは、家庭教師のアルバイトと株式投資で増やした600万円弱。
20代半ばの若者の投資額としては大きいかもしれないが、「仮に全額失ったとしても、医師として働けば、いずれ確実にとり戻せる」と思ったから、あまり躊躇はなかった。
さらに2年間で研修医として稼いだ給料からも、この金鉱株に追加してつぎ込んだ。
株価10倍、資産は9000万円に!
その結果、研修医の2年間が終わったとき、金鉱株はもくろみ通り値上がりしていた。
そこで1トロイオンス800ドルくらいまで上がったタイミングで売却した。
当時はゴールドを鉱山から運ぶ運転手の年収が1500万円くらいになったという景気のいい報道もあるくらいで、僕が買った金鉱株の株価も10倍以上に跳ね上がった。
そこで全株式を売却、一気に資産9000万円くらいまで増えた。
株式投資で「億り人」に
この9000万円を、さらに株式投資に回した。
といっても、このころは研修医を終え、「麻酔科医」として独り立ちをし始めたころ。医師として労力の多くを割いていたから、そこまで株に注力していたわけではなかった。
けれど、コナミコンピュータエンタテインメント東京(現 コナミグループ:9766)やサンシティ(2011年上場廃止)といった20~30銘柄に分散投資していた。
それらが少しずつ値上がりし、2005年末には資産総額1億円を超えた。
29歳で、いまでいうところの“億り人”になったことに、ちょっと興奮した。
※本稿は『50万円を50億円に増やした 投資家の父から娘への教え』(ダイヤモンド社)より一部を抜粋・編集したものです。