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加藤嘉一「中国民主化研究」揺れる巨人は何処へ

習近平が英国に“西側最大の支持者”を求める3つの理由

加藤嘉一
【第63回】 2015年10月27日
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米国訪問から時を置かずして
英国を公式訪問した習近平の思惑

先日、習近平国家主席が英国を公式訪問した。今回の訪英からは、習近平時代の中国共産党を占う3つのインプリケーションが見えてくる

 2015年10月20日~23日(英国時間)、習近平国家主席が英国を公式訪問した。中国国家主席の英国公式訪問は、前任者の胡錦濤の訪問(2005年11月)以来、約10年ぶりである。

 「米国への公式訪問から1ヵ月経たないというインターバルで実行された。しかも、ついでに他の国を回るのではなく、英国一国だけをピンポイントで訪問した。習主席がそれだけ英国との関係を重視している証拠である」

 習近平訪英直前、共産党中央で対西欧外交を担当する幹部が、私にこうプレビューした。

 私は広東省で動向を追っていたが、中国国内世論はまさに“中英関係”“習近平訪英”一色だった。中国共産党広東省委員会の傘下にある機関紙《南方日報》は、10月19日(習近平が英国訪問に向けて北京を発った日)から10月24日の全ての表紙・ヘッドラインを、この話題に割いた。「中央宣伝部から習主席訪英中は大々的にそれを宣伝し、再優先で扱うようにという指示が出ていた」(南方日報スタッフ)。

 ヘッドラインのタイトルを書き下してみよう(時間はいずれも北京時間)。

 「習近平はロイター社の取材を受けた際に強調した:中英関係の“黄金時代”を開拓する」(10月19日)

 「習近平が英国に到着し公式訪問を開始した。習近平夫人彭麗媛らが同行」(10月20日)

 「習近平がロンドンに到着し英国公式訪問を開始。中英協力の壮大なロードマップを共に企画することを強調:英国王室が高規格で習近平を歓迎」(10月21日)

 「習近平が英国首相キャメロンと会談を実施:中英関係の“黄金時代”を開拓」(10月22日)

 「習近平がロンドン金融街シティーで重要演説を発表:中国は国が強くなったら必然的に覇権に走るというロジックを受け入れない」(10月23日)

 「習近平がキャメロンと再び会談:共に中英友好を象徴する樹を植える。現地の小さな町でビールを飲み、フライドフィッシュ&ポテトを堪能」(10月24日)

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加藤嘉一 

1984年生まれ。静岡県函南町出身。山梨学院大学附属高等学校卒業後、2003年、北京大学へ留学。同大学国際関係学院大学院修士課程修了。北京大学研究員、復旦大学新聞学院講座学者、慶應義塾大学SFC研究所上席所員(訪問)を経て、2012年8月に渡米。ハーバード大学フェロー(2012~2014年)、ジョンズ・ホプキンス大学高等国際問題研究大学院客員研究員(2014〜2015年)を務めたのち、現在は北京を拠点に研究・発信を続ける。米『ニューヨーク・タイムズ』中国語版コラムニスト。日本語での単著に、『中国民主化研究』『われ日本海の橋とならん』(以上、ダイヤモンド社)、『たった独りの外交録』(晶文社)、『脱・中国論』(日経BP社)などがある。

 


加藤嘉一「中国民主化研究」揺れる巨人は何処へ

21世紀最大の“謎”ともいえる中国の台頭。そして、そこに内包される民主化とは――。本連載では、私たちが陥りがちな中国の民主化に対して抱く“希望的観測”や“制度的優越感”を可能な限り排除し、「そもそも中国が民主化するとはどういうことなのか?」という根本的難題、或いは定義の部分に向き合うために、不可欠だと思われるパズルのピースを提示していく。また、中国・中国人が“いま”から“これから”へと自らを運営していくうえで向き合わざるを得ないであろうリスク、克服しなければならないであろう課題、乗り越えなければならないであろう歴史観などを検証していく。さらに、最近本格的に発足した習近平・李克強政権の行方や、中国共産党の在り方そのものにも光を当てていく。なお、本連載は中国が民主化することを前提に進められるものでもなければ、民主化へ向けたロードマップを具体的に提示するものではない。

「加藤嘉一「中国民主化研究」揺れる巨人は何処へ」

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