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組織の病気~成長を止める真犯人~ 秋山進

当事者意識のない「野党体質」企業は永遠に変われない

秋山進 [プリンシプル・コンサルティング・グループ株式会社 代表取締役]
【第30回】 2015年11月9日
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一見、仕事をしているように見えて誰も“本気”で仕事をしていない…。あなたの会社には、「野党体質」が根付いてはいないだろうか?

 社会人となって、かれこれ30年。いろいろな人といろいろな仕事をしてきた。素晴らしい機会に恵まれ、それなりに良い仕事もできたのではないかと内心思っているが、なかには、「仕事のための仕事」とでも言うべき、「これってどうなの?」と感じる仕事もあった。

 そういった仕事をさせる(許している)企業には、ある共通した問題点がある。彼らには「自分がやる」という当事者意識がなく、基本的に「やらないことが前提」「(やる場合も)他人がやることが前提」の野党体質なのである。具体的な事例をいくつか紹介していこう。

出世のためのアピール、恩を売るため
「誰も本気じゃない」仕事

 あるインフラ系の企業と仕事をしたときのこと。「上に提出する」として、担当者から新規ビジネスの企画書を見せられた。「ネタとしてはいい」というのが私の感想だ。同時に「まだ生煮えだな」とも感じた。検証が不十分なのだ。「このまま提出するとつぶされてしまいますよ」と進言したところ、担当者から驚きの答えが返ってきた。

 「いいんですよ、どうせやらないんですから」

 そのプロジェクトの目的は、実現させて結果を出すことではなかった。「会社のビジョンに沿った」企画書を作り、提出することで、上からの覚えをめでたくすることが目的だったのだ。むしろ「もっと検証が必要です」などと言って異動までの時間稼ぎができれば、絵空事を実現するために自分が骨を折ることもない。彼はその作戦で時間を稼ぎ、異動。その後、見事に出世した。自分がやってみせた結果ではなく、アピールや姿勢を大切にするのは、野党体質の会社にありがちなスタイルである。

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秋山 進 [プリンシプル・コンサルティング・グループ株式会社 代表取締役]

リクルート入社後、事業企画に携わる。独立後、経営・組織コンサルタントとして、各種業界のトップ企業からベンチャー企業、外資、財団法人など様々な団体のCEO補佐、事業構造改革、経営理念の策定などの業務に従事。現在は、経営リスク診断をベースに、組織設計、事業継続計画、コンプライアンス、サーベイ開発、エグゼクティブコーチング、人材育成などを提供するプリンシプル・コンサルティング・グループの代表を務める。京都大学卒。国際大学GLOCOM客員研究員。麹町アカデミア学頭。

著書に『「一体感」が会社を潰す』『それでも不祥事は起こる』『転職後、最初の1年にやるべきこと』『社長!それは「法律」問題です』『インディペンデント・コントラクター』『愛社精神ってなに?』などがある。


組織の病気~成長を止める真犯人~ 秋山進

日本には数多の組織があり、多くの人がその中に属しています。組織は、ある目的のために集まった人たちで成り立っているにも関わらず、一度“病”にかかれば、本来の目的を見失い、再起不能の状態へと陥ります。しかも怖いのが、組織の中の当人たちは、“病”の正体が分からないどころか、自分たちが“病”にかかっていることすら気づけない点です。

この連載では、日本の組織の成長を阻害している「組織の病気」を症例を挙げて紹介。コンプライアンスの観点から多くの企業を見てきた筆者が考える治療法も提示します。

「組織の病気~成長を止める真犯人~ 秋山進」

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