働きがいのある会社ってどんな会社?
Great Place to Work(R) Instituteという機関から、「2010年日本における働きがいのある会社ベスト25」が発表されました。
「働きがいのある会社」は、1998年から米国の「FORTUNE」誌を通じて発表されているもので、米国企業では、このリストにランクインすることが一流企業の証となるくらいの意味を持っているそうです。
この2010年日本のリストでは、小売業やサービス業が殆どランクインしていません。そもそもエントリーしていないということも、もちろんあるかも知れませんが、それにしても不可解に感じるのは私だけでしょうか?
「働きがいのある会社」だということは、言い換えれば「従業員満足の高い会社」であるということでしょう。よって、小売業やサービス業のように、顧客(エンドユーザー)と直接関わらなければならないビジネス(B2C)の方が、より重要視しているイメージを持っていました。
例えば、CS(顧客満足)経営のお手本としてたびたびベンチマークされているリッツカールトンの経営哲学とは、「働く人々に、働いていてよかったと思える環境を提供し、従業員が心から満足した結果、初めて顧客が満足するサービスを提供でき、結果として収益も上がる」というものであり、全従業員がもつ「クレド」と呼ばれるカードにも企業理念が記されています。
つまり、「従業員満足を高める」ことは「顧客満足を高める」ことにつながり、それが「収益を高める」という考え方は、B2C系の企業の方が当然重視しているに違いないと思い、当然「働きがいのある会社」にもランキングされるだろうと思ってしまっていたのです。
しかし、それは私の思い違いでした。もしかすると、リーマンショック以降の景気低迷による消費不況がこの思い違いの要因のひとつに上げられるのかも知れませんが、「業績悪化⇒従業員満足の低下」をダイレクトにつなげることにも無理があったような気もします。