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「引きこもり」するオトナたち

全国の引きこもりが交流会、なぜ彼らは集まれたのか

池上正樹 [ジャーナリスト]
【第250回】 2015年11月19日
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「ひきこもり大学全国キャラバン」のポスター

 全国のひきこもり当事者や経験者らが集まる「交流会」が7日、東京・虎ノ門の日本財団で開かれ、同じ思いを持つ人たちと出会ってもらうための様々な仕掛けや配慮が、当事者主体のスタッフたちのアイデアによって用意された。

 対象者は、社会とつながりのない本人や経験者にとどまらず、家族、支援者、どれでもなく関心のある人たちまでと幅広い。「引きこもり」をキーワードにした全国交流会は、支援者主体では行われているものの、当事者が主体になってアイデアを練り、このようにフラットな関係性の出会いの場を社会に呼びかけるのは初めての試みだろう。

 とくに興味深かったのは、「同じ思いを持つ人と出会う」「出会いの形は参加者が選べる」という今回のコンセプト。この日は、受け付けで「当事者」と申告のあった参加者だけでも50人を超え、沖縄や東北などの各地から180人余りが集まった。

引きこもり当事者が話しやすい
様々な仕掛けとは?

会は終始和やかな雰囲気で行われた。写真右は筆者

 主催したのは、ひきこもり家族会で唯一の全国組織である「全国KHJ家族会連合会」。同会が日本財団助成事業として支部のある地域で開催してきた「ひきこもり大学全国キャラバン」の講師12人も、参加者と出会うために駆けつけてくれて、簡単なトークライヴを行った。

 同会に協力してスケジュールを進行したのは、偶数月の第1日曜日に都内で開催している「ひきこもりフューチャーセッション[庵IORI]」の運営メンバーであるプロボノのファシリテーターや経験者主体のスタッフたち。

 メインの会場では、こうした講師たちとグループトークする場が設けられたほか、スタッフが事前に出し合ったテーマに沿って対話する「庵」的な会議室、疲れた人が休むための「静かな部屋」は図書館のような空間、さらにこうしたテーマとは関係なくしゃべりたい人のための「だべりの部屋」が設けられた。

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池上正樹 [ジャーナリスト]

通信社などの勤務を経て、フリーのジャーナリストに。主に「心」や「街」を追いかける。1997年から日本の「ひきこもり」界隈を取材。東日本大震災直後、被災地に入り、ひきこもる人たちがどう行動したのかを調査。著書は『ひきこもる女性たち』(ベスト新書)、『大人のひきこもり』(講談社現代新書)、『下流中年』(SB新書/共著)、『ダメダメな人生を変えたいM君と生活保護』(ポプラ新書)、『あのとき、大川小学校で何が起きたのか』(青志社)など多数。TVやラジオにも多数出演。厚労省の全国KHJ家族会事業委員、東京都町田市「ひきこもり」ネットワーク専門部会委員なども務める。YAHOO!ニュース個人オーサー『僕の細道』

 


「引きこもり」するオトナたち

「会社に行けない」「働けない」――家に引きこもる大人たちが増加し続けている。彼らはなぜ「引きこもり」するようになってしまったのか。理由とそうさせた社会的背景、そして苦悩を追う。

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