ダイヤモンド社のビジネス情報サイト
部下をもつ人の職場の人間関係
【第3回】 2015年12月7日
著者・コラム紹介バックナンバー
水島広子 [精神科医]

リーダーは、それぞれの「領域」を尊重しよう

1
nextpage

最近、対人関係の問題などで心を病む人が増えています。会社は多くの人が集まる場所。そこには、上司や先輩、同僚、部下や取引先など、多くの人間関係が生じます。それらの関係は、いずれもストレス要因になり得ます。職場のストレスをなくし、働きやすい環境をつくるのは現場を預かるリーダーの仕事のうち。本連載では、『部下をもつ人の職場の人間関係』を上梓した対人関係療法の第一人者で精神科医の水島広子氏が、職場のストレスをなくし、円滑な人間関係をつくるコミュニケーションのコツをアドバイス。第3回は、職場のリーダーが考えるべきメンバーの「領域」について説明します。

リーダーは、部下より人間として格上なのか?

 最近では、労働環境がとても厳しい会社は「ブラック企業」と呼ばれます。したがって、リーダーが健全な人権感覚を持っていることはとても大切です。

 ここから言えることは、もしリーダーの中に、「部下のくせに」という気持ちが芽生えたら、要注意だということです。

 職務上の上下関係は、決して人間の価値を決めるものではないからです。

Q.会議で、上司の私が言った意見について、よく反対意見を述べてくる部下がいます。敵対意識を持っているのか、わからないのですが、どうしたらいいでしょうか?

 なぜリーダーは、反論する部下に違和感を覚えるのでしょうか?

 それは、「部下のくせに」という感覚(上から目線)があるからです。

 職務上の上下関係は、職務を効率化するためにつくられている仕事上のシステムです。主に、責任の範囲を明確にするのがその役割です。

 そのことと、人間としての価値が高いか低いかということは、全く関係がありません。社長であろうが、ドアマンであろうが、人間としては全く対等な個人同士です。

 これは決してきれい事で言っているのではなく、豊かな人生を送りたいのであれば、リーダーであろうとなかろうと、誰もが心から認める必要のある考え方です。

 ただし、人間はどうしても社会的地位と人間としての価値を結びつけがち。なので、それに流されないように、リーダーが率先してロールモデルを示していく必要があります。

 それが「機能するリーダー」の条件とも言えるでしょう。

 部下に対して、とても人道的とは思えない態度をとっているのは、「怖れのリーダー」である証拠とも言えます。

 なぜそれが「怖れのリーダー」なのかと言うと、「怖れのリーダー」は基本的に自信がないからです。対等な人間として相手を見てしまうと、自分の価値が下がるように思ってしまうのです。

 ですから、「自分は人間として格上」というような態度をとりたがるのです。あるいは、必要以上に上司に媚びて、同じような媚びを自分の部下に要求する「怖れのリーダー」もいます。

1
nextpage
スペシャル・インフォメーションPR
ダイヤモンド・オンライン 関連記事
まいにち小鍋

まいにち小鍋

小田真規子 著

定価(税込):本体1,100円+税   発行年月:2016年11月

<内容紹介>
簡単で安くて、ヘルシー。ポッカポカの湯気で、すぐにホッコリ幸せ。おひとりさまから共働きのご夫婦までとっても便利な、毎日食べても全然飽きない1〜2人前の小鍋レシピ集!「定番鍋」にひと手間かけた「激うま鍋」。元気回復やダイエットに効く「薬膳鍋」や、晩酌を楽しみたい方に嬉しい「おつまみ鍋」など盛り沢山!

本を購入する
ダイヤモンド社の電子書籍
(POSデータ調べ、11/20~11/26)


注目のトピックスPR


水島広子 [精神科医]

1968年東京生まれ。慶應義塾大学医学部卒業、同大学院修了(医学博士)。
摂食障害、気分障害、トラウマ関連障害、思春期前後の問題や家族の病理、漢方医学などが専門。「対人関係療法」の日本における第一人者。
慶應義塾大学医学部精神科勤務を経て、現在、対人関係療法専門クリニック院長、慶應義塾大学医学部非常勤講師(精神神経科)、国際対人関係療法学会理事、アティテューディナル・ヒーリング・ジャパン(AHJ)代表、対人関係療法研究会代表世話人。
2000~2005年衆議院議員として児童虐待防止法の抜本的改正をはじめ、数々の法案の修正実現に尽力。
精神科専門医、精神科指導医(日本精神神経学会)、精神保健指定医、日本認知療法学会幹事、日本うつ病学会評議員、日本摂食障害学会評議員、日本ストレス学会評議員。心の健康のための講演や執筆も多くこなしている。
主な著書に『女子の人間関係』(サンクチュアリ出版)、『怒りがスーッと消える本』、『小さなことに左右されない「本当の自信」を手に入れる9つのステップ』、『身近な人の『攻撃』がスーッとなくなる本』、『大人のための『困った感情』のトリセツ』(以上、大和出版)、『十代のうちに知っておきたい 折れない心の作り方』(紀伊國屋書店)、『プレッシャーに負けない方法―「できるだけ完璧主義」のすすめ』(さくら舎)など、多数。


部下をもつ人の職場の人間関係

イライラ、ムカムカ、モヤモヤ、ウツウツ……。
仕事のストレスの多くは、職場の人間関係から生じます。
つまり、人間関係のコツをつかみ、その質を高めることができれば、ストレスの少ない、イキイキとした職場環境に生まれ変わります。
「対人関係療法」の第一人者が、効果的な社内コミュニケーションのコツをアドバイス。部下と上司のストレスをなくし、人間関係の悩みがスッキリ解消する秘訣とは。

「部下をもつ人の職場の人間関係」

⇒バックナンバー一覧