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平井 陽一朗の人材「共育」日誌

リーダーになったら身につけたい、若手育成の10のポイント

平井陽一朗 [ボストン コンサルティング グループ パートナー&マネージング・ディレクター]
【第9回】 2015年12月15日
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 今回は育成側の視点から、私自身の経験や、私が日ごろ意識している事を中心に、若手育成のポイントをまとめてみました。主に、管理職が視野に入ってきた若手リーダーの皆様にご一読いただければ幸いです。

(1)育てるべき人を見極める

 一番大事なのは育てるべき若手を見極めることです。育成には手間がかかります。周りの若手全員を同じように育てることは無理で、時間の無駄になりかねない。同時に育てられるのはせいぜい4、5人が限度でしょう。ネズミ講のように自分のDNAが5人に、その5人がさらに5人に受け継がれていくようにするしかありません。

 では、育てるべき人をどう選ぶか。1聞いたら1以上の仕事を仕上げてくる、成長するマインドセットを持ち、それを実践している「響く」若手を見極めることです。彼らに徹底的に時間を使って、徹底的に伸ばします。そうすると、その若手からさらに周りの人に伝播していきます。

 響くことに加えて、壁を作らない人であることも重要な要素です。こちらが真心で接しても、相手が壁を作るタイプの人だと伝わりません。若手が自分のことをどこか好きであったり、尊敬の念を持ってくれていると、こちらも教えやすいでしょう。

 一方で、たとえ優秀でも、根本的に自分とは合わない若手がいた場合、その人にいくら時間を使ってもあまり意味がありません。自分と合わない人をいくら教えても仕方がなく、その若手にとっても迷惑な話かもしれません。この場合は、他の人が育成したほうが大きく花開く可能性があります。そこは、自分を否定せずに、相性が悪い、とあきらめることも大事です。

 さて、それでは育てるべき若手に対して、具体的にどう接していけばよいのでしょう。

(2)自立性を尊重する

 私の場合、部下に指示を出すときは、はじめはざっくりと、方向性や論点を示すだけにとどめます。自分なりに考えることで人は伸びるからです。

 たとえば、小売業であれば、「ある地域での収益性が悪化しているのはなぜか、調べておいて」といった形です。どれほどジュニアな部下であっても、意外な成果が生まれることもあるので、はじめは全員にチャンスを与え、それだけでは難しいようであれば段々に具体的な指示に変えていきます。

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平井陽一朗[ボストン コンサルティング グループ パートナー&マネージング・ディレクター]

ひらい・よういちろう/ボストン コンサルティング グループ(BCG) パートナー&マネージング・ディレクター。1974年、東京都生まれ。米国の公立高校を卒業後、東京大学経済学部卒業。三菱商事を経て、BCGへ入社。その後、ウォルト・ディズニー・ジャパン、オリコン取締役副社長兼COO、ザッパラス代表取締役社長兼CEOを経て、再びBCGに入社、現在に至る。ネットサービス系企業における経営経験などを活かし、デジタルコンテンツやEコマース領域などを中心に、企業戦略や事業開発、グローバル戦略等、数多くのプロジェクトを手掛ける。


平井 陽一朗の人材「共育」日誌

「育成」は本当に難しい。例え育成の仕組みが充実していても、育てられる側に成長への意欲がなければ成立し得ません。かといって「成長なんて自己責任」で片づけてしまえば、永遠に「育成」というものに対する解を得られません。それでは、育成がうまくいっているように見える会社とそうでない会社とでは何が違うのでしょう。そうした悩みの中で、私平井陽一朗が所属していた三菱商事、ボストン コンサルティング グループ、ディズニーなどの企業で得た経験を振り返り、「育つ」「育てる」という難しいテーマを考える端緒にしたいと思います。人材育成で悩んでいる方や、社会人として成長していく過程にある方にとっても、何かしらのヒントがあるはずです。

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