JR山手線の内側、中でも都心5区と呼ばれる千代田・中央・港・新宿・渋谷を中心に、新築マンション価格の高騰が続いている。平均坪単価1000万円の物件が登場するのではないかという声まで聞こえてくる。そんな東京で今から購入可能な人気マンションはどこなのか、現在発売中の「週刊ダイヤモンド別冊」2016年1月17日号に掲載された「事前人気マンション」で第1位となったのは港区の意外な物件だった。

2015年東京最大の話題物件だった目黒駅前の「Brillia Towers 目黒」。付近の相場観を塗り替える平均坪単価600万円強ながら、申し込みが殺到、夏には完売した

東京の人気ナンバー1は港区の
お寺の借地に建つ小規模物件

「週刊ダイヤモンド別冊」の新築マンション特集号では、住宅評論家の櫻井幸雄氏が算出した「事前人気指数」(モデルルームができる前の資料請求数による)で指数2以上の物件を「事前人気マンション」として掲載してきた。

 今回、ランキング第1位となったのは、大和ハウス工業の「プレミスト白金台」(12階建て33戸)だった。東京メトロ南北線・都営三田線「白金台」駅を出てすぐの、目黒通り沿いにある港区白金台アドレスの物件だ。「白金台」駅は海抜30メートルの高台である。

 事前人気指数は49.0。住宅評論家の櫻井幸雄氏も、「これまで調べてきた事前人気指数の中でも最高クラスだ」と評するほどダントツの高さを示している。33戸のうち3戸が非分譲で、販売対象は30戸のみという小ぶりな物件。なぜここがそんなに人気があるのか。

 まず、周辺環境は抜群である。横断歩道を渡れば、東京大学医科学研究所附属病院の広大な敷地が広がっている。目黒通りをわずかに東に行けば八芳園の庭があり、隣接してシェラトン都ホテルが建っている。

 大学まである明治学院や聖心学院の小中学校もここが最寄り駅。学区の白金小・高松中も人気があり、文教地区としての顔も持っている。

 近くには、プラチナ通りと呼ばれる外苑西通りのオシャレな街並みがあり、商業施設も揃う。「プラチナ ドン・キホーテ 白金台店」まである充実ぶりだ。

 さらに、少なくとも500年前からの自然が残されている19ヘクタールもの森「国立科学博物館附属自然教育園」も散歩コースになる距離だ。