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組織の病気~成長を止める真犯人~ 秋山進

なぜ「虚業」のビジネスは目の敵にされるのか

秋山進 [プリンシプル・コンサルティング・グループ株式会社 代表取締役]
【第34回】 2016年1月18日
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新規ビジネスはいつの時代も「虚業」と言われがち。しかし、なんでもかんでも「虚業」と呼ぶ人は“オジサン”になった証拠かも

 いつの時代にも「虚業」と呼ばれる産業がある。「堅実ではない」「空虚な」という意味合いで使われ、反対語は「実業」である。多くの場合、その言葉は「一生懸命働いている(と自己評価している)オジサンたち」が非難のニュアンスを込めて使う。

 かつて私が所属したリクルートも、1980年代後半ごろには「虚業」と呼ばれ、社会的に批判されることが多かった。その理由はいろいろ考えられるが、つまりは当時のリクルートの「広告を集めて情報誌にする」というビジネスモデルが、それまでのビジネス感覚とはかけ離れており、かつ比類ないほど高い収益性があったことが問題だった。たとえば今なら、ソーシャルゲーム(スマホゲーム)、各種の情報アプリなどが「虚業」といわれる範疇に入るだろう。

「虚業」と呼ばれる4つのビジネス

 一口に「虚業」と言っても、人によって意味するところはさまざまだ。大きく分ければ以下の4つのパターンがあるように思う。

1.詐欺のような、そもそも嘘のビジネス

 架空の投資ビジネスや違法なネズミ講など、倫理的にも法律的にも問題のあるビジネス。これらは、まったくもって「虚業」と呼ばれてしかるべきものであり、非難されても仕方がないものである。

2.頭脳労働だけのビジネス

 体を動かしてモノを作ったり、人が直接的にサービスすることのない頭脳労働は、「汗水たらして働くのが良いことだ」という感覚から見れば「悪」であり、「虚」になる。「不労所得」という言葉が持つ、「頑張っていない」「楽をして稼いでいる」というイメージにつながる。投資ファンドなどがこの範疇に入る。

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秋山 進 [プリンシプル・コンサルティング・グループ株式会社 代表取締役]

リクルート入社後、事業企画に携わる。独立後、経営・組織コンサルタントとして、各種業界のトップ企業からベンチャー企業、外資、財団法人など様々な団体のCEO補佐、事業構造改革、経営理念の策定などの業務に従事。現在は、経営リスク診断をベースに、組織設計、事業継続計画、コンプライアンス、サーベイ開発、エグゼクティブコーチング、人材育成などを提供するプリンシプル・コンサルティング・グループの代表を務める。京都大学卒。国際大学GLOCOM客員研究員。麹町アカデミア学頭。

著書に『「一体感」が会社を潰す』『それでも不祥事は起こる』『転職後、最初の1年にやるべきこと』『社長!それは「法律」問題です』『インディペンデント・コントラクター』『愛社精神ってなに?』などがある。


組織の病気~成長を止める真犯人~ 秋山進

日本には数多の組織があり、多くの人がその中に属しています。組織は、ある目的のために集まった人たちで成り立っているにも関わらず、一度“病”にかかれば、本来の目的を見失い、再起不能の状態へと陥ります。しかも怖いのが、組織の中の当人たちは、“病”の正体が分からないどころか、自分たちが“病”にかかっていることすら気づけない点です。

この連載では、日本の組織の成長を阻害している「組織の病気」を症例を挙げて紹介。コンプライアンスの観点から多くの企業を見てきた筆者が考える治療法も提示します。

「組織の病気~成長を止める真犯人~ 秋山進」

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