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テレビは売れているのに
対応コンテンツがない4Kの未来

夏目幸明 [ジャーナリスト]
2016年1月22日
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家電量販店で販売合戦が繰り広げられている4Kテレビ。しかし、肝心のコンテンツ提供は進んでいない。4Kは今後、どのように普及していくのだろうか?

4Kテレビはあっても
4Kコンテンツがない!?

 フルハイビジョンの画素数は、1920×1080画素。これに対し4Kは3840×2160画素と、4倍の精密さを持つ。50インチを超える大型テレビで見ると、鮮明さの差は明らかだ。仮にスポーツの映像なら、遠目から撮影した、いわゆる「引きの絵」でも、選手の表情や背番号が鮮明に映る。地上デジタル放送の普及後にアナログ放送を見て「こんなに粗い映像を見ていたのか」と驚いた経験はないだろうか。同様に、4K映像を体験した後、フルハイビジョンを見ると、少し物足りなさを感じる。

家電量販店で売れている4Kテレビ。しかし肝心のコンテンツ供給は滞ったまま。いびつな市場構造は、どう変化していくのだろうか?  Photo:AP/AFLO

 BCN調査によれば、2015年10月の時点で、50型以上の大型テレビの販売台数のうち、52.9%が4K対応テレビだ。この需要により、テレビ市場は単価も上昇、回復傾向が明らかになっている。

 だが、いわゆる「地上波」が4Kに対応する予定は立っていない。1つめの理由は「電波の問題」。4Kのデータ量は莫大だ。このため、仮にデータの圧縮方式を現行のMPEG2からHEVC(H.265)へ変更しても、地上波の電波帯域では足りない。

 2つめの理由は「コスト」。アナログ放送が地デジに進化したときも問題になったが、映像が精密化しても視聴率や、CMの価格は上昇しにくい。一方で、制作サイドの出費はかさむ。フルハイビジョンでの映像制作に比べ、4Kによる映像制作費は1.5~2倍。放送機材が高額で編集に時間がかかるのだ。

 4Kなら今までにない映像が撮れるから、テレビ局の現場には「将来の番組販売を見込んで、今すぐ撮影だけでも4Kで行いたい」と考える社員もいる。だが、経営陣は首を縦に振れない。採算がとれるビジネスモデルが見えないのだ。

 家電量販店では4Kが推され、50型以上のテレビを購入する層は、4Kテレビを選択している。だが、4K映像を楽しむコンテンツがない。この状況は、少々いびつだ。

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夏目幸明[ジャーナリスト]

1972年、愛知県生まれ。早稲田大学卒業後、広告代理店に入社。その後、雑誌記者に。小学館「DIME」の『ヒット商品開発秘話 UN.DON.COM』や講談社「週刊現代」の『社長の風景』などを連載中。著書に『大停電(ブラックアウト)を回避せよ!』(PHP研究所)などがある。


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