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組織の病気~成長を止める真犯人~ 秋山進

「見た目の良い人」しか社長になれない時代がやってきた?

秋山進 [プリンシプル・コンサルティング・グループ株式会社 代表取締役]
【第35回】 2016年2月1日
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背が高くてハンサムでも深く考える力のない人と見た目はバッとしないけれど頭脳明晰な人。今の時代、社長としてふさわしいのは…

 近く引退を考えているという、あるオーナー社長から、後継者選びについてこんな相談を受けた。

 「背が高くてハンサムで、演説も上手いのだけども、実は深く考える力のないAさん。見映えはパッとしないし、しゃべりも上手くはないけれど、頭脳明晰で決断力のあるBさん。果たしてどちらを社長にするべきだろうか」

 また別の企業からは、「役員の選定基準に『容姿端麗』と明示するのは、コンプライアンス的に問題があるだろうか?」と冗談半分、真面目半分に相談されたこともある。

 いよいよ日本でも、「見映えがいいこと」が偉くなる人の要件になる時代になってきたのだろうか。

ケネディは「見映えの良さ」で大統領に選ばれた?

 偉い人の「見映え」がいかに重要かを最初に知らしめたのは、1960年のアメリカの大統領選だった。当時候補者だったケネディとニクソンがディベートを行い、テレビとラジオで生放送された。4回行われた討論のうち、8000万人もの人が見たという1回目の討論では、TVで見た人はケネディを優勢と判断し、ラジオを聞いていた人たちはニクソンが勝ったと思った(ただしラジオの聴取者はテレビに比べ大変少なかった)。テレビとラジオで違うのは、視覚情報のみである。つまり、二人の見映えが視聴者の心証に大きく影響したということだ。そして、この(TVでの)勝利をきっかけにケネディは大統領への道を進み始めることになる。

 その後アメリカの大統領選挙では、テレビ討論がとても重要なものとなった。そして、「背が高くてステキ」な人物が大統領に選ばれるようになった。これは、「見映え」の効果を証明したと言えるだろう。オバマ大統領は185センチ、クリントン元大統領は188センチ、少し古いがレーガン大統領も185センチ。彼らはとても「見映えがいい大統領」の典型例だ。発言や政治力についてはいろんな意見があるだろうから、ここでは言及しない(ちなみにアメリカ人男性平均身長は約177センチ)。

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秋山 進 [プリンシプル・コンサルティング・グループ株式会社 代表取締役]

リクルート入社後、事業企画に携わる。独立後、経営・組織コンサルタントとして、各種業界のトップ企業からベンチャー企業、外資、財団法人など様々な団体のCEO補佐、事業構造改革、経営理念の策定などの業務に従事。現在は、経営リスク診断をベースに、組織設計、事業継続計画、コンプライアンス、サーベイ開発、エグゼクティブコーチング、人材育成などを提供するプリンシプル・コンサルティング・グループの代表を務める。京都大学卒。国際大学GLOCOM客員研究員。麹町アカデミア学頭。

著書に『「一体感」が会社を潰す』『それでも不祥事は起こる』『転職後、最初の1年にやるべきこと』『社長!それは「法律」問題です』『インディペンデント・コントラクター』『愛社精神ってなに?』などがある。


組織の病気~成長を止める真犯人~ 秋山進

日本には数多の組織があり、多くの人がその中に属しています。組織は、ある目的のために集まった人たちで成り立っているにも関わらず、一度“病”にかかれば、本来の目的を見失い、再起不能の状態へと陥ります。しかも怖いのが、組織の中の当人たちは、“病”の正体が分からないどころか、自分たちが“病”にかかっていることすら気づけない点です。

この連載では、日本の組織の成長を阻害している「組織の病気」を症例を挙げて紹介。コンプライアンスの観点から多くの企業を見てきた筆者が考える治療法も提示します。

「組織の病気~成長を止める真犯人~ 秋山進」

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