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最高のリーダーは何もしない:内向型人間が最強のチームをつくる!
【第3回】 2016年2月8日
著者・コラム紹介バックナンバー
藤沢久美 [シンクタンク・ソフィアバンク代表]

「動き回るリーダー」ほど仕事がおそい!?
優秀な人は「2つのリーダーシップ」を使い分けている

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1000人以上の経営者へのインタビューを15年近く続けてきた藤沢久美氏は、「求められるリーダーシップが変化している」という。それをひと言で表したのが、最新刊のタイトルでもある『最高のリーダーは何もしない』だ。

前回は、「指示」をしないことで業績アップを実現させている企業の実例から、リーダーがすべきは「ビジョンをつくり、それをメンバーに浸透させること」だと述べた。今回は、リーダーの理想像が変化した理由をみていこう。

▼連載 第1回▼
「頼れるボス猿」から「内向的な小心者」へ…
優秀なリーダーの条件が変わった!

従来のリーダーシップは「遅すぎる」

前回、私がお伝えしようとしている新しいリーダーの典型的なあり方として、エー・ピーカンパニーの事例を紹介させていただきました。

▼連載 第2回▼
「指示しない職場」で業績が伸びている

今回は、なぜこうしたリーダーシップが生まれてきているのかを、社会の変化と合わせて整理しておきましょう。

21世紀にかけて急速に進んだ情報通信革命が、ビジネスのあり方を大きく変えました。かつては、一定の枠組みの下で、ゆっくりと小さな改善をしながら仕事をしていれば、会社や組織は安泰でした。

むしろ、ルールやマニュアルからはみ出ようとするメンバーがいないか注意しながらチームを統率する、軍隊の隊長のようなリーダーシップが求められていたのです。

しかし、いまではこうしたリーダーシップはうまく機能しません。
従来の「強いリーダーシップ」が機能不全に陥った原因は、大きく2つあります。

1つは、消費者の価値観やニーズの多様化です。インターネットをはじめとした情報通信の発展によって、かつて知りようがなかった「小さな価値観・ニーズ」が顕在化し、それがダイレクトに企業や組織に伝わるようになりました。
同時に、モノやサービスが充実したことで、量から質へ、「納得できる価値があるもの」へと人々の嗜好(しこう)が移ってきました。大量生産された商品や画一的なサービスではなく、精神的充足が得られる商品、特別感のあるサービスを求める傾向が強くなってきたのです。

もう1つは、変化のスピードです。各人の嗜好が多様であるだけでなく、その嗜好自体が大変なスピードで移ろいます。「先週喜ばれたものが、今週には陳腐化している」ということも起こる時代になりました。

こうした状況下で、リーダーが自社の商品・サービスのすべてを把握し、それぞれに対して意思決定をしていくのは不可能です。
また、現場がマニュアルだけに頼っていたり、個別のケースごとにリーダーの指示を仰いだりしていると、柔軟かつ素早い対応ができずに、お客様のニーズとのあいだにズレが生じることになります。

つまり、従来のトップダウン型リーダーシップだけでは「遅すぎる」のです。
めまぐるしく移り変わる複雑なニーズに対応していくには、現場にいるメンバーたちが自律的に動き、個別に対応するほかありません。

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藤沢久美 [シンクタンク・ソフィアバンク代表]

(ふじさわ・くみ)大学卒業後、国内外の投資運用会社勤務を経て、1996年に日本初の投資信託評価会社を起業。同社を世界的格付け会社スタンダード&プアーズに売却後、2000年にシンクタンク・ソフィアバンクの設立に参画。2013年、代表に就任。そのほか、静岡銀行、豊田通商などの企業の社外取締役、文部科学省参与、各種省庁審議会の委員などを務める。
2007年、ダボス会議(世界経済フォーラム主宰)「ヤング・グローバル・リーダー」、翌年には「グローバル・アジェンダ・カウンシル」メンバーに選出され、世界の首脳・経営者とも交流する機会を得ている。
テレビ番組「21世紀ビジネス塾」(NHK教育)キャスターを経験後、ネットラジオ「藤沢久美の社長Talk」パーソナリティとして、15年以上にわたり1000人を超えるトップリーダーに取材。大手からベンチャーまで、成長企業のリーダーたちに学ぶ「リーダー観察」をライフワークとしている。
著書に『なぜ、川崎モデルは成功したのか?』(実業之日本社)、『なぜ、御用聞きビジネスが伸びているのか』(ダイヤモンド社)など多数。
Facebook:
https://www.facebook.com/kumi.fujisawa.official


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