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悪質極まりない中国電気自動車、補助金詐欺の手口

陳言 [在北京ジャーナリスト]
2016年2月5日
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 今、中国では電気自動車が爆売りされている。2015年11月に、電気乗用車の生産量はすでにその他の国の合計を超え、12月はさらに11月の2倍も増産され、6万3525台生産された。

中国では電気自動車が急速に普及している(※写真と本文は関係ありません)

 ただし、妙なことに、中国の電気自動車の生産量とナンバープレートの取得数には倍の差がある。生産された電気自動車には政府の補助金は支払われるが、当の車はどうも市場にはそれほど出回っていないようなのだ。

 悪質なメーカーはリース会社と称するダミー企業に電気自動車を売り、そこで車を解体して電池を取りだし、また新しい電気自動車を作って補助金を2重にせしめる、と業界に詳しい人は中国のマスコミに明かす。

 2020年までに中国では電気自動車を中心とする新エネルギー自動車をトータル500万台普及しようと計画し、そのためには3900億元(約7.8兆円)の補助金を出す。それを目当てに、補助金のだまし取りが今、大流行している。

他社から買った部品を
粗末なラインで組み立てる

 1月16日、『経済観察報』は「新エネルギー自動車業の補助金詐欺者」というタイトルで次のように報じた。

 ある電気自動車メーカーは、最近シャシーの注文を受けた。発注元の責任者の名前を見ると、6年前に辞めた同社の労働者だった。

 「辞めてから、電気トラックの改装関連の仕事をしていると聞いたが、今度は乗用車のシャシーを購入して、電気自動車に進出したようだ」と電気自動車メーカーの責任者は『経済観察報』記者に明かした。

 1台の電気自動車につき、国と地方政府からあわせて10万元の補助金がもらえる。元労働者は車を組み立てる技術があり、最近は買ったシャシーに電池を付けて電気自動車を作り、億元単位の金を手に入れているようだ。

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陳言 [在北京ジャーナリスト]

1982年南京大学卒。『経済日報』に勤務してから、1989年に東京大学新聞研究所、慶応大学経済学研究科に留学、博士課程終了、萩国際大学教授。2003年に帰国。月刊『経済』主筆。2010年から日本企業(中国)研究院を設立、執行院長。ダイヤモンドオンライン、『週刊東洋経済』『アエラ』『中国経済週刊』『中国経営報』などのメディアに数多くの記事を掲載。2015年日本語日刊紙『速読中国』を創刊して編集長を兼任。


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世界第2位の経済大国になった中国は、依然として猛烈なスピードで変化している。一方、中国にはウェブ系も含めると、何千というメディアが存在し、情報が溢れかえっている。北京在住の経済ジャーナリスト・陳言氏が玉石混交の情報の中から、中国の対外関係、多国籍企業、技術革新、中国の経済政策など日本経済や日本企業に影響を及ぼす情報を選りすぐり解説する。そこからは日本のメディアが伝える中国とは、違った姿が見えてくる。

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