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山崎元のマルチスコープ

鴻海に買収されたらシャープ社員はどう振る舞うべきか

山崎 元 [経済評論家・楽天証券経済研究所客員研究員]
【第412回】 2016年2月10日
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「鴻海バンザイ!」と三度
声に出して言ってみよう

もしも自分の会社が外資系企業に買収されることになったら……。どう行動すべきだろうか

 経営再建策の策定が大詰めの局面を迎えていた家電大手メーカーのシャープは、産業革新機構による救済案ではなく、台湾の鴻海精密工業の買収を受け入れる方向を優先して検討することになったと報じられている。

 筆者は鴻海によるシャープ買収が好ましい動きだと考える。支援額の大きな鴻海の提案を受け入れる方が、シャープの取締役としては、株主の利益にかなう「まとも」な判断だろう。

 そもそも、「官」の息がかかった産業革新機構が、日本の十分古くて成熟した産業である電機業界の再編に関わろうとしたこと自体が醜悪であった。少しも「革新」的ではない。民間企業に自発的な買収の対案がある場合に、同機構の提示する条件が民間以下なら、被支援企業の株主にとって機構の存在意義がないし、民間が提示する以上の好条件なら、それは民業の圧迫だ(納税者にとって損でもある)。本来、このような「官民ファンド」など不要なのだ。

 さて、交渉事なので、まだ鴻海による買収は最終決定ではないから決めつけることはできないが、シャープの社員にとっては、鴻海に会社が買収された場合に、一体どうしたらいいのかが気になるところだろう。

 本稿では、シャープが完全に鴻海傘下に入った場合の元シャープの社員を例に、被買収企業の社員はどう行動したらいいのかを考えてみたい。

 企業の買収は、何よりも資金を投じて買収する側にとってこそ真剣勝負だ。買われる側の企業の社員は、まず、そのことを深く胸に刻んで、買収側が何を考えるのが妥当なのかを直視して、自分の行動を決めなければならない。

 後述のように、被買収企業の社員が心に留めておくべき行動原則が3個あるのだが、今回のシャープのような立場で会社が買収されるのであれば、まずは「鴻海バンザイ! 鴻海に買ってもらって、本当に良かった」と、最低三度は口に出して言ってみよう。その時、あなたの心の中に、どのような変化が起こるかを、よく感じ取ってほしい。その「感じ」で次に打つべき手が決まる。

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山崎 元 [経済評論家・楽天証券経済研究所客員研究員]

58年北海道生まれ。81年東京大学経済学部卒。三菱商事、野村投信、住友信託銀行、メリルリンチ証券、山一證券、UFJ総研など12社を経て、現在、楽天証券経済研究所客員研究員、マイベンチマーク代表取締役。


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