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山崎元のマネー経済の歩き方

運用の「期間」をめぐるあれこれ

山崎 元 [経済評論家・楽天証券経済研究所客員研究員]
【第135回】 2010年7月5日
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 米国のベンチャーキャピタリストが書いた本を読んでいたら、ベンチャー起業家が投資家向けにプレゼンテーションする場合の市場予測は、4~5年先の数字が多いと書いてあった。予測期間があまりに長過ぎると数字に信憑性が感じられなくなるし、他方、2~3年だと投資を検討しているあいだに事実によって反証されてしまう公算が大きいので、4~5年先がいいのだという。

 競合する予測がありふれていない点でも好都合だ。投資家になじみの深い「会社四季報」でも業績予想は2年分なので、特定の商品・サービスの4~5年先の予想は、シンクタンクなどに依頼しないと数字が出てこない。

 四季報が2年先までの予想であることとも対応するが、上場企業の業績について、数字を積み上げて現実味のある予想ができる期間はせいぜい2年だ。実際には、1年以内の業績予想の上方修正・下方修正を追いながら、長期的な成長イメージも一緒に動かして、投資家は投資の意思決定をしているというのが実態だ。

 4年先、5年先では、人口のようにほぼ予想が可能なものもあるが、景気や気候、それに技術など、重要なファクターが変化する。まして、市場参加者の思惑の影響を受ける、自由に市場が形成される商品やサービスに関する予想は、現実的には困難だ。

 しかし、運用商品の宣伝文句を聞くと、「5年先、10年先の成長性を評価する」とか、なかには「30年目線」で投資先企業を評価していると標榜する運用会社もある。目線の置きどころは勝手だし、どうせ風呂敷を広げるなら大きいほうがいいのかもしれないが、冒頭で取り上げたように「予測期間があまりに長過ぎると信憑性が感じられない」という状況になるのではないか、と少々心配になる。

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山崎 元 [経済評論家・楽天証券経済研究所客員研究員]

58年北海道生まれ。81年東京大学経済学部卒。三菱商事、野村投信、住友信託銀行、メリルリンチ証券、山一證券、UFJ総研など12社を経て、現在、楽天証券経済研究所客員研究員、マイベンチマーク代表取締役。


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