◎内容をじっくりと理解できる
1つは手を動かして書き写すことによって、著者の言葉をよりじっくりと咀嚼する時間が生まれるから。ただ、これには個人差や世代差があるかもしれません。

◎必要な部分だけを引用するようになる
より重要なのはあとの2つです。第2の理由は、まさに面倒くさいからこそ「本当に書き写したいと思ったところしか書き写さないようになる」ということ。
キーボードなら、人によってはけっこうな文字量もごく短時間で書き写せてしまうでしょう。
あえて手書きにすることで、「ここってわざわざ書き写すところだろうか?」と考えるきっかけをつくっておくのです。
タイピングだと、つい「あれもこれも」で引用したくなり、リストが膨れ上がりかねません。手書きにすることで、「本当に心が動いたところだけ」を引用するように自分を仕向けるわけです。

◎達成状況が可視化される
もう1つは、手書きや紙の持つ「具体性」です。1ライン・サンプリングの用紙や、1ライン・レビューのノートがどんどん増えていく達成感は、読書を習慣化するうえでは欠かせません。
その際、やはり紙のほうがその達成状況が視覚的に確認しやすい。だからこそ、フロー・リーディングを初めて実践する人には、ぜひ手書きでトライしていただきたいと思っています。