ダイヤモンド社のビジネス情報サイト
イノベーション的発想を磨く

「今ない仕事」が作れれば、誰でも第一人者になれる

~『「ない仕事」の作り方』(みうらじゅん著)を読む

情報工場
【第11回】 2016年2月20日
著者・コラム紹介バックナンバー
1
nextpage

「自分だけが好きなこと」を流行らせて、それを仕事にする

『「ない仕事」の作り方』
みうらじゅん著 文藝春秋
175p 1250円(税別)

 好きなことを仕事にできたらどんなに幸せだろう。誰しも一度くらいはそんなことを考えたことがあるはずだ。しかし、いざまじめに考えてみると、それを実現するのはとても難しいことに気づく。

 自分は絵を描くのが得意で大好きだ。だから将来は漫画家になりたい、という希望をもったとしよう。でも、そんな人は世の中にはゴマンといるはずだ。漫画家として食っていけるようになるまでには、厳しい競争を勝ち抜かなければならない。普通はそこで冷静になり、「自分にはそんな競争に勝ち抜くほどの実力はないな」と、夢を諦める。

 しかし本書の著者みうらじゅんは、普通の人には思いもよらない方法で「好きなこと」を仕事にしてきた。それは、「自分だけが好きなこと」を、世の中で流行らせて、それを仕事にするという、逆転の発想によるものだ。本人に言わせれば「『ない仕事』を作る」。これならば、少なくとも最初は自分が第一人者になれる。競争に勝ち抜く必要もない。

 みうらじゅんといえば、「マイブーム」という言葉の生みの親として有名だ。「マイブーム」は、1997年の「新語・流行語」トップテンに「たまごっち」や「もののけ(姫)」とともに選ばれている。そして本人の膨大な数の「マイブーム」の中からは、「ゆるキャラ」をはじめ世間一般の大ブームになるものも生まれている。

 みうらじゅんは、漫画家、イラストレーター、エッセイスト、小説家、ミュージシャン、評論家、ラジオDJ“など”、本人もどれが本業かわからないほど幅広い肩書きで活動している。本書の中でも、今や最後の「など」の比率が大きすぎて、もはや肩書きは「など」だけではないか、と言っている。本人にそんな意識は毛頭ないのだろうが、多様な領域でそれまでに「なかった」新たな価値を生み出してきたということなのだろう。

 本書では、これまでの35年間にわたる「みうらじゅんの仕事」を、いかに「ない仕事」を考案しそれを世の中に広めてきたかという視点で振り返り、解説(自慢?)している。

1
nextpage
関連記事
スペシャル・インフォメーションPR
クチコミ・コメント

経営戦略最新記事» トップページを見る

最新ビジネスニュース

Reuters

注目のトピックスPR

話題の記事

情報工場

2005年創業。厳選した書籍のハイライトを3000字にまとめて配信する書籍ダイジェストサービス「SERENDIP(セレンディップ)」を提供。国内の書籍だけではなく、まだ日本で出版されていない、欧米・アジアなどの海外で話題の書籍もいち早く日本語のダイジェストにして配信。上場企業の経営層・管理職を中心に約6万人のビジネスパーソンが利用中。

浅羽登志也

情報工場シニアエディター。1989年、京都大学大学院修士課程修了後、リクルート入社。同社スーパーコンピュータ研究所にてインターネットに関する研究に従事。1992年、株式会社インターネットイニシアティブ(IIJ)に創業メンバーとして入社。インターネット黎明期からサービス開発・技術開発に携わる。IIJは、日本で最初にインターネット接続の商用サービスを開始したインターネットサービスプロバイダで2006年12月東証一部上場。1999年、IIJ取締役、2004年より2009年までIIJ取締役副社長。2008年より2015年までIIJイノベーションインスティテュート代表取締役社長。2015年7月よりIIJフェロー。情報編集にも興味を持ち、2007年より松岡正剛氏主催のイシス編集学校で松岡流編集術を学ぶ。現在イシス編集学校の師範を務める。2010年に軽井沢へ転居。自然農法で、自家用の蕎麦や大豆を栽培中。

 


イノベーション的発想を磨く

経営戦略を描くヒントになる、イノベーションのヒントになる、マネジメント層のための知恵袋になる…。経営層・管理職に本当に役立つ書籍を厳選して紹介。

「イノベーション的発想を磨く」

⇒バックナンバー一覧