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日本を元気にする経営学教室

ミドルの復権・活性化こそ日本企業の生命線
―アキレス、良品計画の大ヒット商品が語るもの―
早稲田大学ビジネススクール教授 遠藤 功

遠藤 功 [早稲田大学ビジネススクール教授 株式会社ローランド・ベルガー会長],加登 豊 [神戸大学大学院経営学研究科教授],成生達彦 [京都大学大学院経営管理研究部教授],河野宏和 [慶應義塾大学大学院学経営管理研究科委員長 慶応義塾大学ビジネス・スクール校長]
【第5回】 2010年7月12日
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組織の「体温」はミドルが決める

 「ミドルが元気がない」という声を聞くようになって久しい。私自身、企業研修や経営コンサルティングにおいて、課長を中心とするミドル層と接することも多いが、確かに「おとなしい」という印象を受けることが多い。

 実際に話してみると、問題意識は高く、優秀なミドルも多いのだが、少なくとも外から見る限り、ギラギラと伝わってくる「熱気」には乏しい。「秘めた強さ」はあるのだが、それが表に現われてこないのだ。

 これは日本企業、さらには日本経済にとって深刻な問題である。ミドルの沈滞は、決してその世代だけの問題と割り切ることはできない。

 言うまでもなく、ミドルというのは組織の中核である。“フォッサマグナ”のように、ここにエネルギーが充満していなくては、地殻変動は起こりえない。

 組織には「体温」がある。体温の高い組織もあれば、氷のように体温が冷え切っている組織もある。組織の中核であるミドルがどれだけの体温なのかによって、組織全体の体温が決まってくる。

 いくら経営トップが熱く号令をかけても、それを真正面から受け止めるべきミドルが冷めていたのでは、経営トップの熱気は現場には伝わらない。伝わらないどころか、現場に冷や水をかけるようなことにもなってしまう。

 組織の体温はミドルによって決まる。経営トップの熱気を受け止め、さらには自ら熱を発するようなミドルが、組織の中にどれだけ存在するかで、組織の体温は決まってくる。ミドルの問題は経営全体の競争力、組織の活性化と連動するきわめて重大な問題なのだ。

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遠藤 功(えんどう いさお) [早稲田大学ビジネススクール教授 株式会社ローランド・ベルガー会長]

1956年生れ。79年早稲田大学商学部卒業、三菱電機入社、米国ボストンカレッジ経営学修士(MBA)。その後、米系戦略コンサルティング会社を経て、2008年から早稲田大学ビジネススクールのMBA/MOTプログラムディレクターとして、ビジネススクールの運営を統轄。また、欧州系最大の戦略コンサルティング・ファームであるローランド・ベルガーの日本法人会長として、経営コンサルティングにも従事。『MBAオペレーション戦略』『現場力を鍛える』『見える化』など著書多数。

加登 豊(かと ゆたか) [神戸大学大学院経営学研究科教授]

1953年生れ。78年3月神戸大学大学院経営学研究科博士課程前期課程修了、86年4月大阪府立大学経済学部助教授、94年1月神戸大学経営学部教授、99年4月神戸大学大学院経営学研究科教授、2008年4月~10年3月経営学研究科長・経営学部長。『インサイト管理会計』『インサイト原価計算』『ケースブック コストマネジメント』『管理会計入門』など著書多数。

成生達彦(なりう たつひこ) [京都大学大学院経営管理研究部教授]

1952年生まれ。78年横浜国立大学大学院経済学研究科修士課程卒業、81年京都大学大学院経済学研究科博士後期課程修学、89年米国ノ-スカロライナ州立大学大学院卒業(Ph.D.)、81年南山大学経営学部に就職、94年に教授、同年京都大学博士(経済学)、98年京都大学大学院経済学研究科教授、2006年京都大学大学院経営管理研究部教授、2008年~09年京都大学大学院経営管理研究部研究部長。主著に『ミクロ経済学入門』など。

河野 宏和(こうの ひろかず) [慶應義塾大学大学院学経営管理研究科委員長 慶応義塾大学ビジネス・スクール校長]

1980年慶應義塾大学工学部卒業、82年同大学院工学研究科修士課程、87年博士課程修了、同年慶應義塾大学大学院経営管理研究科助手、91年工学博士、91年助教授、98年教授となる。2009年10月より慶應義塾大学大学院経営管理研究科委員長、慶應義塾大学ビジネス・スクール校長を務める。1991年7月より1年間、ハーバード大学ビジネス・スクールヘ留学。IEレビュー誌編集委員長、TPM優秀賞審査委員、日本経営工学会理事。


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国内市場は成熟化する一方、グローバル化は急速に進展し、新興国の勃興も著しい。もはや、自ら新たな目標を設定し、ビジネスモデルを構築しなくてはいけない時代に突入。にもかかわらず、日本企業には閉塞感が漂う。この閉塞感を突破するにはどうしたらよいのか。著名ビジネススクールの校長・元校長で、経営学のリーダーたちが、リレー形式で、問題の所在を指摘し、変革のヒントを提起する。

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