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医療・介護 大転換

英国発「がん患者の悩みをじっくり聞く第2の家」が日本にも登場する意味

浅川澄一 [福祉ジャーナリスト(前・日本経済新聞社編集委員)]
【第50回】 2016年3月2日
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 「どうも医者の説明が分かり難い」「抗がん剤で疲れやすくなり体重が減ったので心配」「別の治療法があるのではないか」「インターネットで調べたら、この薬でなくほかの薬が出ていた」――。

 がん患者はいろいろな不安要素を抱えている。医療側からの判断に納得がいかないことも多い。そのため日々の生活の些細なことに苛立ってしまう。気持ちが揺れ動く。

 そんな時に、話し相手がいれば状況は大きく変わる。相談に乗ってくれるところが欲しい。自分のがんについてじっくり話を聞いてほしい。それも、病院でないところで。

 こうした悩みに応える「家」が英国に生まれ、国際的にも注目を集めている。その日本版がこの夏に東京に登場する。

 英国のスコットランドの古都、エジンバラで始まった「マギーズ・センター」である。昨年9月、現地を訪ねた。

庭付きの民家風建物が最初のマギーズセンター(エジンバラ)

病院とはかけ離れた空間「マギーズ・センター」

 血なまぐさい英国史を彩り、今も町を見下ろすエジンバラ城。その城内、エリザベス1世と張り合ったメアリー女王がジェームズ6世を出産した女王の部屋には観光客の足が絶えない。城から車で20分。ウエスタン・ゼネラル病院に向かった。

 エジンバラに2つある大病院のひとつである。立ち並ぶ病棟の端っこに、普通の民家のような場違いの2階建ての建物が目を引く。2階には庇付きの小窓が、空色の木の壁から覗いており、可愛らしい造りだ。案内標識には「マギーズ・センター」とある。

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浅川澄一 [福祉ジャーナリスト(前・日本経済新聞社編集委員)]

あさかわ・すみかず/1948年2月東京都中野区生まれ。東京都立西高校から慶應義塾大学経済学部に。1971年日本経済新聞社に入社。小売り・流通業、ファッション、家電、サービス産業などを担当。87年に月刊誌『日経トレンディ』を創刊、初代編集長を5年間勤める。93年流通経済部長、95年マルチメディア局編成部長などを経て、98年から編集委員。高齢者ケア、少子化、NPO活度などを担当。2011年2月に定年退社。同年6月に公益社団法人長寿社会文化協会常務理事に就任。66歳。

 


医療・介護 大転換

2014年4月に診療報酬が改定され、ついで6月には「地域医療・介護総合確保推進法」が成立した。これによって、我が国の「医療」「介護」大転換に向けて、第一歩が踏み出された。少子高齢化が急速に進む中で、日本の社会保障はどう大きく変革するのか。なかなかその全貌が見えてこない、医療・介護大転換の内容を丁寧に解説していく。

「医療・介護 大転換」

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