鈴木宗男氏の娘で、民主党に離党届を出した鈴木貴子氏。今後の自民党への移籍がささやかれるが、その背景には鈴木父娘、そして安倍総理のどんな思惑があるのだろうか?
貴子氏の民主党離党はなぜ今なのか?
来年に「喪が明ける」父・宗男氏との関係
2月26日、北海道の地域政党「新党大地」の鈴木宗男代表の娘である鈴木貴子氏が所属する民主党に離党届を提出した。貴子氏は4月の衆院北海道5区補欠選挙で民主党が共産党と統一候補を擁立することを批判し、「共産党とは基本的な思想、国家観がまったく異なる」と離党の理由を説明した。民主党の枝野幹事長は、「重大な反党行為だ」と語り、離党届を受理せず、除籍処分とする意向を示した。
当然、貴子氏の離党の裏には、父・宗男氏の意向が存在すると考えて間違いないだろう。彼が昨年末に安倍晋三首相と会談した際に、その場で貴子氏の自民党への移籍が取り沙汰されたと言われる。
いったい、なぜこの時期に貴子氏は民主党から自民党に移籍するのだろうか。貴子氏、宗男氏、自民党には、それぞれどのようなメリットがあるのだろうか。
政治ジャーナリストの鈴木哲夫氏は「貴子さんの自民党移籍は、あと1年ちょっとで宗男さんの喪が明ける、つまり、公民権停止処分が解けることと関係しています」と指摘する。
宗男氏といえば、2002年、国後島にあった「日本人とロシア人の友好の家」、いわゆる「ムネオハウス」をめぐる一連のスキャンダルにおいて、あっせん収賄容疑で逮捕され、10年、最高裁の上告棄却により、懲役2年の実刑、追徴金1100万円の判決が確定。公職選挙法の規定により刑期満了から5年間は公民権(被選挙権)停止となっていた。宗男氏の刑期満了は12年4月であり、公民権停止が解けるのは5年後の17年4月だ。