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佐高 信の「一人一話」

国家の圧力に耐えて筋を通す 鈴木宗男の魅力

佐高 信 [評論家]
【第28回】 2015年8月31日
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 仙台で開いている「佐高信政治塾」で対談してもらうため、鈴木宗男と一緒に東北新幹線に乗ったのは2014年秋だった。東京駅で乗り込むとすぐ、鈴木はチョコボールを出し、私にも勧める。

 「私たちの子どものころはチョコレートやバナナは貴重品でしたよね」と言ってである。

 一般的には鈴木はコワイ人だと思われている。あるいはダーティな人だとも……。

 しかし、鈴木がいわゆる“国策捜査”でネライ撃ちされたことは、猪瀬直樹や渡辺喜美の事件と比較すれば、よくわかる。

 『俳句界』9月号の「佐高信の甘口でコンニチハ!」という対談で、鈴木は次のように憤慨する。

 「知事選挙に出る人間が、後の生活が心配だからお金借りましたなんてね、甘いですよね。鈴木宗男が領収書をきった4、50万の金で捕まえた検察がですね、5,000万円なんて大変な額を罰金刑ですませるなんて矛盾だし、検察が正義だというなら、何をもって正義というのだという気がしますよ」

 猪瀬はやはり逮捕しなければおかしいし、8億円を受け取った渡辺喜美の件も表沙汰になった以上、事件にしなければおかしい。

 猪瀬も渡辺も安倍晋三に近いから不問に付され、鈴木は当時首相だった小泉純一郎と官房長官の福田康夫に狙われたから捕まったとしか思えなくなるのである。

「メディアも権力の掌で動いている」

 あの時、検察はガンに冒された鈴木の女性秘書まで逮捕した。

 「国家権力はここまでやるのか。これではケンカできない。検察の言うことを認めて外に出て戦線を立て直すか」

 こう考えた鈴木に、検察は、「鈴木先生、バッジを外して、政治家を辞めなさい」と“悪魔のささやき”を送ってきた。

 それで鈴木は一度それに乗ろうとする。

 その時、鈴木夫人は鈴木を叱り、こんな手紙を弁護士に託した。

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佐高 信 [評論家]

さたか・まこと 1945年山形県酒田市生まれ。評論家、『週刊金曜日』編集委員。高校教師、経済雑誌の編集者を経て評論家に。「社畜」という言葉で日本の企業社会の病理を露わにし、会社・経営者批評で一つの分野を築く。経済評論にとどまらず、憲法、教育など現代日本のについて辛口の評論活動を続ける。著書に『保守の知恵』(岸井成格さんとの共著、毎日新聞社)、『飲水思源 メディアの仕掛人、徳間康快』(金曜日)など。


佐高 信の「一人一話」

歴史は人によってつくられる。ときに説明しがたい人間模様、ふとした人の心の機微が歴史を変える。経済、政治、法律、教育、文化と幅広い分野にわたって、評論活動を続けてきた佐高 信氏が、その交遊録から、歴史を彩った人々の知られざる一面に光をあてる。

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