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莫邦富の中国ビジネスおどろき新発見

中国貨物列車のイラン到達は一帯一路の大きな一歩

莫 邦富 [作家・ジャーナリスト]
【第273回】 2016年3月3日
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 2014年7月17日、私はこのコラムで「欧亜を結ぶ壮大な路線計画をテコに 高速鉄道の海外輸出を加速させる中国」と題して、中国版新幹線、高速鉄道の海外進出の動きを取り上げた。

中国は高速鉄道の輸出に積極的(※参考写真)

 同年6月中旬、ロンドンを訪れた李克強首相がイギリスのキャメロン首相と会談し、中英両国は原子力発電や高速鉄道などのインフラ建設で協力関係を築くべきであると働きかけた。実際、高速鉄道は、中英の共同声明内にも盛り込まれ、中英双方の市場で高速鉄道分野での実質的な協力を促進することに同意した。

 世界への進出を考えている中国の高速鉄道戦略の一端がこうした動きから伺われる。

 上記のコラムでは、「中国は2009年にすでに、欧亜(欧州―アジア)高速鉄道と中亜(中国―アジア)高速鉄道、汎亜(汎アジア)高速鉄道という三本柱からなる国際高速鉄道計画を決定しており、そのうちの2路線がヨーロッパに到る。中亜鉄道はかつてのシルクロードと重なっており、キルギス、ウズベキスタンなどの中央アジア国家を通り、イラン、トルコを経て、最後はドイツに到る」と紹介している。

中国の貨物列車が初めて
イランに到着したことの意義

 高速鉄道の実現はまだまだ先だが、その中亜鉄道に絡む話として、目を惹く新情報があった。中国企業が工事に参加するイラン鉄道電気化改造プロジェクトの着工にあたり、中国を出発してシルクロード沿いを走る初の貨物列車が2月15日、イランに到着した。

 この貨物列車は1月28日、寝具・工具・アクセサリーなどといった商品を32個の40フィートのコンテナに積んで、浙江省の「雑貨の町」という呼び名で知られる義烏を出発し、新疆ウイグル自治区の阿拉山口から中国国境を出た。

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莫邦富(モー・バンフ) [作家・ジャーナリスト]

1953年、上海市生まれ。85年に来日。『蛇頭』、『「中国全省を読む」事典』、翻訳書『ノーと言える中国』がベストセラーに。そのほかにも『日中はなぜわかり合えないのか』、『これは私が愛した日本なのか』、『新華僑』、『鯛と羊』など著書多数。


莫邦富の中国ビジネスおどろき新発見

地方都市の勃興、ものづくりの精度向上、環境や社会貢献への関心の高まり・・・中国は今大きく変わりつつある。先入観を引きずったままだと、日本企業はどんどん中国市場から脱落しかねない。色眼鏡を外し、中国ビジネスの変化に改めて目を凝らす必要がある。道案内人は日中を行き来する中国人作家・ジャーナリストの莫邦富氏。日本ではあまり報道されない「今は小さくとも大きな潮流となりうる」新発見を毎週お届けしよう。

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