そんなワーキングメモリーですが、子どもの頃に高めるために家庭でできることがいろいろあります。まずはテレビを見る時間に制限を持たせること。長時間の視聴は注意力や思考力の低下を招く恐れがあるそうです。

 特に幼児期は厳重に管理すべきのようです。そして次に冒頭でも出てきましたが、本の読み聞かせもワーキングメモリーを高めるためにとても良い方法です。子どもが読み聞かせに慣れてきたら、まだこれはレベルが高いかな、と思えるレベルのものでもわかりやすく説明しながら進めることは、ワーキングメモリーの発達を促します。簡単なレシピの料理を作らせたりすることも、手順を覚えさせて作らせることによりワーキングメモリーを働かせるトレーニングになるようですね。

 これらのことからもわかるように、やはり頭の中にイメージを浮かべて何かを行うということはワーキングメモリーを高めることにとっても有効なことがわかります。

冒頭の質問、答えは…

 それでは冒頭の質問の答え合わせです。効果的なほめ方はBの「よく頑張ったね」です。

 これはコロンビア大学のミューラー教授による実験の結果です。無作為に選んで分けた2組の子どもたちのグループに対してその実験は行われました。両グループ共通のテストを行い、一方のグループには成績が良かった子どもたちに対して「頭がいいね」と元々の能力を称えたのに対し、もう一方のグループの中で成績が良かった子どもたちには「よく頑張ったね」と努力を称えるほめ方をしたそうです。

 その後数回行われたテストの結果より「頭がいいね」と言われたグループの子どもたちはテストの目的が良い成績をとることのみになってしまい、テストの結果は自分の能力次第と考えるようになったそうです。一方、「よく頑張ったね」と言われたグループの子どもたちは、その後も粘り強く努力を継続するようになったということです。

 ここからも、粘り強く努力を続けられる子どもに育てるためには、ある結果にたどり着くまでの過程の努力を称えることが重要なのだと理解できます。