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ユニーク企業の仰天戦略

安売りだけで成功した会社など一つもない

キャニコム・包行均会長に聞く(3)

曲沼美恵 [ライター]
【第3回】 2016年3月18日
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ユニークな企業には、ユニークな経営者がいるものである。福岡県うきは市に本社を置く「キャニコム」の二代目、包行均(かねゆき・ひとし)会長もその1人。

「草刈機まさお」をはじめ、「北国の春…お」や「みなみの春…お」、「男前刈清(おとこまえがりきよし)」などユーモアたっぷりの商品名で話題をふりまき、農業用運搬車の分野で業界トップに躍り出たかと思えば、「ブッシュカッタージョージ」や「ヒラリー」などの度胸あるネーミングで世界にも打って出る。

「斜陽」と言われて久しい業界で、「なんでも三流」だったメーカーを「超一流のグローバル中小企業」を目指せる会社へと変えた仰天の戦略と人生を、前回前々回に引き続き3回シリーズでご紹介する。

キャニコム包行均会長 Photo by Toshiaki Usami

「草刈機まさお」は海外でも「MASAO」

――すごいなと思ったのは、そのネーミングセンスが海外にも通じちゃっているところです。

草を刈る「草刈機まさお」。海外では「Hey MASAO」として親しまれている
写真提供:キャニコム

 「『草刈機まさお』なんてのは、世界中、どこへ行っても『まさお』で通す。言わんと買えんから、代理店もいつの間にか『まさお』言うようになった。『まさおくれ~』ちゅうようなもんで。海外だと『Hey MASAO』」

――「ブッシュカッタージョージ」とか「ヒラリー(和名:ひらり)」とか、けっこう、大胆な名前をつけてらっしゃいますよね。

 「ネーミングは度胸。アメリカ人も笑ってくれる」

――キャニコムと言えば、お客さんの声を「ボヤキズム」と称して汲み取りながら商品開発していく話が有名です。あれは、御社の開発担当者が利用客のところへ行って、話を聞くというスタイルですよね?

 「うちの開発の担当者は忙しくて、なかなか行かない」

――もしかして、会長自身が……。

 「もう大好きやの。最近はね、講演とかが増えて行く機会が少なくなってるけど、それでも年に3、4回は行ってますからね。販売店には行かない。販売店に行っても、ただ『安くせい』ちゅうだけだから。

 『安くせい』言われたとたんにね、この人はうちの商品を知らないんだなあ、と思うんです。そういうところに何回足を運んでも、いい情報はもらえない。真に受けて帰ってきよったらね、安いもの作るしかないんです」

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曲沼美恵[ライター]

1970年生まれ。大学卒業後、日本経済新聞社に入社。2002年からフリーに。近年はビジネス誌やウェブサイトで、ルポルタージュやインタビュー、コラム等を執筆。近著に『メディア・モンスター:誰が黒川紀章を殺したのか?』(草思社)がある。仕事に関する情報はブログでも紹介中。「ニュース」より「人」に興味あり。

 


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ユニークな商品・サービスを生み出している会社には、どんな経営者がいるのだろう?大企業には真似できない仰天の戦略でグローバル時代を生き残ろうと模索する、「小さな巨人たち」を追いかける。

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