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社会貢献でメシを食う。NEXT 竹井善昭

ショーンK問題の本質は「経営コンサルを報道キャスターにしたこと」だ

竹井善昭 [ソーシャルビジネス・プランナー&CSRコンサルタント/株式会社ソーシャルプランニング代表]
【第153回】 2016年3月22日
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 「イケメン過ぎる経営コンサルタント」としてテレビ、ラジオなどで活躍していたショーンKことショーン・マクアードル川上氏の学歴、経歴が真っ赤なウソだったことが週刊文春で報じられ、本人もあっさりそれを認め、出演していたテレビ、ラジオ番組のすべてを降板した一連の騒動はご存じの通り。

 多くの人が「ハーバードのMBAホルダーで、いかにもなハーフ顔の国際派経営コンサルタント」だと思っていたショーンK氏の正体が、川上伸一郎という名前の、純粋日本人顔で高卒の「実はイベント司会やナレーションなどが本業のタレント?」としか思えない職歴の人間だった。その落差の大きさに世間はアッと驚いたわけだが、僕の感想は「やっぱりウソだったんだ」というものだった。

 僕が最初にショーンK氏を見たのは、テレビ朝日『報道ステーション』のコメンテーターとして出演していたときのことだが、そのときのテロップで紹介されていた「経営コンサルタント」の肩書きに大きな違和感を感じた。なんというか、経営コンサルタントにしては妙に水っぽすぎたのだ。

どのような業界にもある
その業界独特の匂い

 僕は職業柄、外資系大手ファームのコンサルからフリーのコンサルまで、経営コンサルタント、マーケティングコンサルタント、ITコンサルタント、人材コンサルタントなど、多種多様なコンサルタントを見てきたし、一緒に仕事をしてきた。日本人もいれば外国人もいた。その数は優に数百名。しかし、ショーンK氏のような「匂い」のするコンサルは見たことがない。

 どのような業界の人間もそうだが、業界の人間には「業界特有の匂い」がある。そして、業界の人間は同業の人間のことはすぐに分かる。それも、他業種の人間には分からない匂いまで嗅ぎ分けることができる。

 たとえば僕なら、夜のバーで飲んでいて大手広告代理店の人間が入ってきたら、その人間が電通か博報堂なのかはだいたい分かる。また、独身時代にCAの女の子たちと交流していたこともあり、街中でCAが歩いていたらその女性がCAだとだいたい分かる。しかし、それ以上のことは分からない。ところが、CAの女の子たちは、その女性がJALなのか、ANAなのか、外国キャリアのCAなのか、その区別まで分かると言っていた。そういうものなのだ。

 なので、ショーンK氏の「国際的な経営コンサルタント」という肩書きが真っ赤なウソであるとバレても、僕は「やっぱりそうか」という感想しか持たないが、コンサル業界と縁のない人たちはそのような「コンサルの匂い」など分かるはずもなく、ましてや「報道番組」で紹介されている肩書きがホンモノであると信じてしまうのは当然である。

 その意味で、ショーンK氏を「経営コンサルタント」としてコメンテーターに起用していた報道番組は罪が重い。『報道ステーション』など、今回の騒動をまるで他人事のような伝え方をしていたが、今回の件はショーンK氏が番組降板を申し入れてそれで終わるような話ではないだろう。

 まあ、文春報道を受けてショーンK氏は、レギュラーとして出演していたテレビ、ラジオ番組のすべてに降板を申し入れたとのことだが、その「あまりの潔さ」にも違和感が残る。「まだ何か文春は握っているのではないか?」とまで思わせる潔さであるが、そのあたりは推測さえもできない話なので、深くは突っ込まない。

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竹井善昭 [ソーシャルビジネス・プランナー&CSRコンサルタント/株式会社ソーシャルプランニング代表]

マーケティング・コンサルタントとしてクルマ、家電、パソコン、飲料、食品などあらゆる業種のトップ企業にて商品開発、業態開発を行なう。近年は領域を社会貢献に特化し、CSRコンサルタント、社会貢献ビジネスの開発プランナーとして活動。多くの企業にてCSR戦略、NGOのコミュニケーション戦略の構築を行なう。「日本を社会貢献でメシが食える社会にする」ことがミッションに、全国各地で講演活動を行なう。ソーシャル系ビジネスコンテストや各種財団の助成金などの審査員多数。また、「日本の女子力が世界を変える」をテーマに、世界の女性、少女をエンパワーメントするための団体「ガール・パワー(一般社団法人日本女子力推進事業団)」を、夫婦・家族問題評論家の池内ひろ美氏、日本キッズコーチング協会理事長の竹内エリカ氏らと共に設立。著書に『社会貢献でメシを食う。』『ジャパニーズスピリッツの開国力』(いずれもダイヤモンド社)がある。

株式会社ソーシャルプランニング
☆竹井氏ブログ 社会貢献でメシを食う〝REAL(リアル)〟
☆Twitterアカウント:takeiyoshiaki


社会貢献でメシを食う。NEXT 竹井善昭

CSRやコーズマーケティングをはじめ、「社会貢献」というテーマがポピュラーとなったいま、「社会貢献のセカンドウェーブ」が来ている。新たなサービスやプロジェクトのみならず、新たな主役たちも登場し始めた。当連載では話題の事例を取り上げながら、社会貢献的視点で世の中のトレンドを紹介していく。
*当連載は、人気連載『社会貢献を買う人たち』のリニューアル版として、2014年1月より連載名を変更しました。

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