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実践ミャンマー進出戦略立案マニュアル
【第7回】 2016年4月8日
著者・コラム紹介バックナンバー
杉田浩一 [株式会社アジア戦略アドバイザリー 代表取締役],行方國雄 [TMI総合法律事務所ヤンゴンオフィス代表]

ミャンマーにおける効率的な現地調査の方法とは!?

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ミャンマー進出のための現地調査も、事前に確認すべきポイントを絞り込んでおかないと、現地リスクや事業機会の効率的な分析は難しい。今回は、効果的な現地調査の方法について考えてみたい。

自社の目的に即した現地調査をどうデザインするか

 現地のツアー会社の話では、一般的な日系企業の現地調査は、JETROに行き、ティラワをとりあえず見て、現地で事業を行っている知り合いの会社を回り、また場合によっては現地の日系の弁護士事務所や進出コンサルタントと会って、適当にヤンゴン市内を観光して帰ってくる、というプランが一般的だという。最近は具体的な案件をより現実的に検討するための視察も増えてきているが、今でもこのような「一般的な視察」ルートがメインなようだ。
 当然だが、一般的な視察では、一般的な話しか聞けなくなる。従って、日本で新聞等に出ていた話を追認して、「やっぱりそんなものか」と思って帰っていくことになる。成功するための進出には、目的を持った視察が重要であることは、先ほど述べたとおりだ。本当に自社にとって必要な情報は何かを見極め、それに焦点を絞って効率的に自分なりのスケジュールで現地を回ることが重要だ。
 その際に、よりしっかりと情報を確保するために、以下の3点を意識する必要がある。

●調査対象の多様化
●より多い調査対象の確保
●何気ない風景から情報を引き出す

現地の視点で調査することが重要

 日系企業が情報調査を行う場合は、どうしても日本語で完結する世界で調査を行いがちだ。そのほうが、気も使わないし、日系ルートのほうがまとまった情報を効率的に収集できる。
 ただ、同じ事象に対しても、日本人の考え方と、現地の人の考え方では当然異なる。日本人にとって驚きの対象でも、現地では日常であることがしばしばだ。また逆に、日本人にはあたりまえのことが、現地の人にとっては非常に価値があることだったりする。現地で事業を行うのだから、現地の視点こそが重要で、それこそが現地でのみ確認できることなのだ。
 また、現地の人の見方は、ほかに進出を考えている欧米人や、他のアジア人の見方とも当然異なっている。果たして日本人が進出機会と思うものは、他国の人にはどう映っているのだろうか。同じものを、異なる視点でどう見えるかを意識すると、より深みをもって理解することが可能になる。
 そのような情報交換の機会は、その気になればいくらでも転がっている。同じホテルでたまたま声をかけた相手が、類似業界の会社の人かもしれないし、また海外からのビジネスパーソンがよく出入りするバーなどで、意外な人と会ったりする。要はそこに意識を置くかどうかだ。

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    杉田浩一 [株式会社アジア戦略アドバイザリー 代表取締役]

    すぎた こういち/カリフォルニア大学サンタバーバラ校物理学及び生物学部卒。ロンドン・スクール・オブ・エコノミクス(LSE)経済学修士課程卒。15年間にわたり複数の外資系投資銀行にて、海外進出戦略立案サポートや、M&Aアドバイザリーをはじめとするコーポレートファイナンス業務に携わる。2000年から2009年まで、UBS証券会社投資銀行本部M&Aアドバイザリーチームに在籍し、数多くのM&A案件においてアドバイザーを務める。また、2009年から2012年まで、米系投資銀行のフーリハン・ローキーにて、在日副代表を務める傍ら東南アジアにおけるM&Aアドバイザリー業務に従事。2012年に、東南アジアでのM&Aアドバイザリー及び業界調査を主要業務とする株式会社アジア戦略アドバイザリーを創業。よりリスク度の高い東南アジア案件において、質の高いアドバイザリーサービスの提供を目指してASEAN各国での案件を遂行中。特に、現地の主要財閥との直接の関係を生かし、日系企業と現地企業間の資本・業務提携をサポートしている。ミャンマーにおいては、大手事業会社、総合商社、金融機関等の進出戦略立案及びその実行サポートに携わる一方で、2012年よりダイヤモンド・オンライン(Diamond Online)にて、3年間にわたり人気コラム『ミャンマー その投資ブームは本物か』『海外戦略アドバイザー杉田浩一が徹底解説 ミャンマービジネス最前線』を連載。

    行方國雄(なめかた・くにお) [TMI総合法律事務所ヤンゴンオフィス代表]

    弁護士/ニューヨーク州弁護士/TMI総合法律事務所 パートナー/TMI総合法律事務所ヤンゴンオフィス代表。東京大学法学部卒。ミシガン大学ロースクール(LLM)卒。東京大学法科大学院客員教授(2007年4月~2010年3月) 主な取り扱い分野としては、一般企業法務、M&A、株式公開支援、海外進出支援、国際訴訟・仲裁等がある。2012年10月に、日本の法律事務所としては初めてミャンマーにオフィスを開設し、その代表を務め現在に至る。2013年7月より、経済産業省及び日本貿易振興機構(JETRO)が実施する「中小企業海外展開現地支援プラットフォーム事業」の現地支援プラットフォーム・コーディネーターも務めている。 ミャンマー法に関連した論文としては、以下のようなものがある。 2016年1月「緊急特別レポート 重要法令草案などに見るミャンマー法務の現在と将来」(The Lawyers) 2014年6月「2013年度ミャンマー連邦共和国法制度調査報告書」(法務省) 2014年6月「アジア諸国における商号の保護(その2)」(知財管理) 2014年5月「ミャンマー新経済特区法の概要」(旬刊商事法務) 2014年2月「債権回収に関するアジア各国の法制度」(金融法務事情) 2013年10月「ミャンマーにおけるM&A」(MARR)


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