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理系に学ぶ。
【第6回】 2016年4月26日
著者・コラム紹介バックナンバー
川村元気 [映画プロデューサー・小説家]

基本的に自分の生理的な感覚に
ぴったりくるゲームを作る
【宮本 茂氏×川村元気氏】対談(前編)

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『告白』『悪人』『モテキ』『バケモノの子』『バクマン。』などを手がけた映画プロデューサーで、初めて書いた小説『世界から猫が消えたなら』が120万部を突破し映画化。2016年も映画『怒り』『何者』など、次々と繰り出される企画が話題を集める川村元気。その背景にあるのは「“苦手を学ぶ”ことで、人間はぎりぎり成長できる」という一貫した姿勢だという。
そんな川村元気が、話題の新刊『理系に学ぶ。』では、「文系はこれから何をしたらいいのか?」をテーマに最先端の理系人15人と、サイエンスとテクノロジーがもたらす世界の変化と未来を語っている。
本連載ではその中から5人との対談をピックアップするが、第6、7回では、数々の傑作で世界を熱狂させてきたゲームプロデューサーの宮本 茂さんにご登場いただく。

ゲームと映画の違いとは?

川村 宮本さんが作られてきたゲームの大ファンです。
宮本 川村さんは映画プロデューサーなので『ピクミン ショートムービー』の話をすればいいのかなと思ってましたが、だったら、しっかりしゃべらなあかん(笑)。

川村 その『ピクミン ショートムービー』ですが、3D上映で拝見しました。宮本さんはゲームのキャラクターに、ストーリーを付けることをかたくなにやらないできたように感じていたので、映画を作ると聞いて正直、意外ではありました。
宮本 確かに「ゲームと映画は違うんです」と言い続けてきたんですが、ピクミンはちょっと特殊で、お話にしてみたくなったんです。それに従来のように手描きのアニメーションや実写となるとどうしてもゲームの世界とギャップが出てきてしまいますけど、CGの時代になってそこのズレがなくなって、映画のためのキャラクターの監修が要らなくなったのが大きいですね。

川村 今回は脚本も書かれたんですか?
宮本 尺的に脚本というほど複雑な構成ではないので、まずは僕が「うごメモ」(※ニンテンドーDSiウェアの「うごくメモ帳」)で書いたり口頭でしゃべったりして。それを大枠の絵コンテにしてもらって、簡単なモーションを付けて実際の尺の映像にして、足りないところは足し、タイミングのおかしいところは直し…というやり方で監督に近いところまでやらせてもらいました。

川村 観ながら、宮本節を随所に感じました。
宮本 でも、そんなことをしていたら、20分のものを作るのに2年以上かかってしまって…(苦笑)。

川村 それはハリウッドの巨匠並みの時間のかけ方ですね(笑)。
宮本 否定はしません(苦笑)。考えていたイメージの4倍くらい時間がかかったので、お金も4倍くらいかかりました。ちなみに映画って怖いなと思ったのは、編集段階まで確認できなくて、そこでいろいろ言っても、もう今さら修正できないと。ゲームだと僕、もう土壇場まで直しますから。

川村 ちゃぶ台返しをよくなさるんですね(笑)。
宮本 そうそう。予定調和で作ったものより、積み上げていきながら、アンバランスなんだけど何とかバランスが取れそうといったところでまとめた方が、ずっと面白いものになるんですよね。

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川村元気 [映画プロデューサー・小説家]

1979年横浜生まれ。上智大学文学部新聞学科卒業後、東宝にて『電車男』『告白』『悪人』『モテキ』『おおかみこどもの雨と雪』『寄生獣』『バケモノの子』『バクマン。』などの映画を製作。2010年米The Hollywood Reporter誌の「Next Generation Asia」に選出され、翌11年には優れた映画製作者に贈られる「藤本賞」を史上最年少で受賞。12年には初小説『世界から猫が消えたなら』を発表。同書は本屋大賞へのノミネートを受け、100万部突破の大ベストセラーとなり、佐藤健、宮﨑あおい出演で映画化された。13年には絵本『ティニー ふうせんいぬのものがたり』を発表し、同作はNHKでアニメ化され現在放送中。14年には絵本『ムーム』を発表。同作は『The Dam Keeper』で米アカデミー賞にノミネートされた、Robert Kondo&Dice Tsutsumi監督によりアニメ映画化された。同年、山田洋次・沢木耕太郎・杉本博司・倉本聰・秋元康・宮崎駿・糸井重里・篠山紀信・谷川俊太郎・鈴木敏夫・横尾忠則・坂本龍一ら12人との仕事の対話集『仕事。』が大きな反響を呼ぶ。一方で、BRUTUS誌に連載された小説第2作『億男』を発表。同作は2作連続の本屋大賞ノミネートを受け、ベストセラーとなった。近著に、ハリウッドの巨匠たちとの空想企画会議を収録した『超企画会議』などがある。

 


理系に学ぶ。

『世界から猫が消えたなら』『億男』『仕事。』で出版界に新風を吹き込む川村元気が、言葉で読み解くこれからの理系脳。最先端の理系人たちと、サイエンスとテクノロジーがもたらす世界の変化と未来を語る。
・川上量生(カドカワ 代表取締役社長/ドワンゴ 代表取締役会長)
・宮本 茂(任天堂 専務取締役 クリエイティブフェロー)
・舛田 淳(LINE 取締役 CSMO)
・西内 啓(統計家)
・出雲 充(ユーグレナ 代表取締役社長)

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