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理系に学ぶ。
【第11回】 2016年5月3日
著者・コラム紹介バックナンバー
川村元気 [映画プロデューサー・小説家]

食品や化粧品や医療品にも広がる
ミドリムシは飛行機も飛ばす
【出雲 充氏×川村元気氏】対談(後編)

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『告白』『悪人』『モテキ』『バケモノの子』『バクマン。』などを手がけた映画プロデューサーで、初めて書いた小説『世界から猫が消えたなら』が120万部を突破し映画化。2016年も映画『怒り』『何者』など、次々と繰り出される企画が話題を集める川村元気。その背景にあるのは「“苦手を学ぶ”ことで、人間はぎりぎり成長できる」という一貫した姿勢だという。
そんな川村元気が、話題の新刊『理系に学ぶ。』では、「文系はこれから何をしたらいいのか?」をテーマに最先端の理系人15人と、サイエンスとテクノロジーがもたらす世界の変化と未来を語っている。
本連載ではその中から5人との対談をピックアップするが、第11回は、「世界の栄養不足を救う!」ために研究を始めたミドリムシの多様な可能性を追求し続けるユーグレナ代表取締役社長の出雲 充さんとの対談後半。

ミドリムシにライバルはいない?

川村 ミドリムシにライバルはいないんですか?
出雲 いないですね。

川村 言い切るなぁ(笑)。ただ、海外でミドリムシを大量培養させようってところは、あるにはあるんじゃないですか?
出雲 見張りには行ってますけど、基本的には「今になってゼロからやろうなんて無駄なことはしないで、こっちは君のとこに2周差をつけてるんだから、僕に聞けばいいじゃん」っていう感じで接しています。

川村 撃ち合わずにクリンチをしに行ってるわけですね。「一緒にやろうぜ」って。
出雲 そうです。

川村 ミドリムシ以外のバイオ燃料はライバルにはならないんですか?
出雲 トウモロコシやサトウキビから膨大なガソリンが作られてますけど、今の地球はそれでなくても農地も食料も足りていないのに、せっかく作ったトウモロコシが人間の口でなく機械に回されているなんて、人道に反しています。だから、ミドリムシなんです。

川村 ミドリムシの培養には農地が必要ないですもんね。
出雲 日当たりさえあれば、砂漠でも、海上でも、放射性物質が飛んでいた耕作放棄地であっても、ミドリムシを培養するプールを設置するだけでいい。ミドリムシはトウモロコシなんかとは世代が違うバイオ燃料と言えます。それに、例えば原子力もソーラーも風力も結局生み出すのは電気なわけで、人間は電気ではお腹いっぱいにならないから、これもミドリムシとは関係がない燃料になります。

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川村元気 [映画プロデューサー・小説家]

1979年横浜生まれ。上智大学文学部新聞学科卒業後、東宝にて『電車男』『告白』『悪人』『モテキ』『おおかみこどもの雨と雪』『寄生獣』『バケモノの子』『バクマン。』などの映画を製作。2010年米The Hollywood Reporter誌の「Next Generation Asia」に選出され、翌11年には優れた映画製作者に贈られる「藤本賞」を史上最年少で受賞。12年には初小説『世界から猫が消えたなら』を発表。同書は本屋大賞へのノミネートを受け、100万部突破の大ベストセラーとなり、佐藤健、宮﨑あおい出演で映画化された。13年には絵本『ティニー ふうせんいぬのものがたり』を発表し、同作はNHKでアニメ化され現在放送中。14年には絵本『ムーム』を発表。同作は『The Dam Keeper』で米アカデミー賞にノミネートされた、Robert Kondo&Dice Tsutsumi監督によりアニメ映画化された。同年、山田洋次・沢木耕太郎・杉本博司・倉本聰・秋元康・宮崎駿・糸井重里・篠山紀信・谷川俊太郎・鈴木敏夫・横尾忠則・坂本龍一ら12人との仕事の対話集『仕事。』が大きな反響を呼ぶ。一方で、BRUTUS誌に連載された小説第2作『億男』を発表。同作は2作連続の本屋大賞ノミネートを受け、ベストセラーとなった。近著に、ハリウッドの巨匠たちとの空想企画会議を収録した『超企画会議』などがある。

 


理系に学ぶ。

『世界から猫が消えたなら』『億男』『仕事。』で出版界に新風を吹き込む川村元気が、言葉で読み解くこれからの理系脳。最先端の理系人たちと、サイエンスとテクノロジーがもたらす世界の変化と未来を語る。
・川上量生(カドカワ 代表取締役社長/ドワンゴ 代表取締役会長)
・宮本 茂(任天堂 専務取締役 クリエイティブフェロー)
・舛田 淳(LINE 取締役 CSMO)
・西内 啓(統計家)
・出雲 充(ユーグレナ 代表取締役社長)

「理系に学ぶ。」

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