ダイヤモンド社のビジネス情報サイト

なぜ「食べるラー油」は大ヒット商品になったのか
――2010年上半期ヒット食品から見える日本人の“新しい食生活”

小倉朋子 [フードプロデューサー]
2010年8月5日
著者・コラム紹介バックナンバー
1
nextpage

 「食べ続けて生命を維持している」ことは世界万国共通。食の動きをみると消費者の生活そのものが浮かび上がるため、“食”は生きたマーケティングだといえるだろう。

 早いもので2010年も上半期が過ぎたが、いくつかの大ヒット商品が生まれた。これらのヒット商品に消費者は何を感じて、購入に至っているのか。2010年上半期の内食(一部中食)トレンドのヒット要因を消費者の“食べ方意識”の観点から振り返ってみる。

日本人の食生活は多様化
外食・中食・内食が混在しはじめた!?

 日本政策金融公庫農林水産事業が6月に行った消費者動向調査では、消費者の節約傾向が一段落し、中食を求める簡便志向は上昇したままだが、食の手作り傾向も減少と発表した。

しかし一気に外食へは動いているわけではなく、社団法人日本フードサービス協会によると、2010年5月の外食売上高は4ヵ月連続の前年割れ。牛丼のすき家を展開している(株)ゼンショーや、日本マクドナルドなどのファーストフードや新業態が元気なものの、外食産業の売上高低迷は続いている。

 食べないと生きられないのだから、どこかで何かが消費はされていることは間違いない。そうなると、外食に代わる一食は、安価な中食や内食(家庭内食)にシフトするはずだが、現実の消費の仕方を考えると、徐々に外食、中食、内食といった分類は明確ではなくなりつつある。というのも、外食の競合がネットスーパーになったり、寿司屋の相手が家庭用調理器具になりえるからだ。それだけ日本人の食べ方も混在、多様化しているといえるだろう。

 そのため完全にひと括りには測れないが、目立って売れた食品にはいくつかの共通項がみられる。また、「内食で流行った商品や食べ方を外食で取り入れる」逆輸入のような面白い傾向も出ている。

安いだけではもはや売れない
食に求められる「手軽な楽しみ」

 例えば、今なお衰えを知らない人気商材の代表格である「食べるラー油」だ。内食減少傾向とはいえ売れ続けている商品で、各メーカー品薄状態が続いている。

1
nextpage
関連記事
スペシャル・インフォメーションPR
クチコミ・コメント

DOL PREMIUM

PR

経営戦略最新記事» トップページを見る

最新ビジネスニュース

Reuters

注目のトピックスPR

話題の記事

小倉朋子 [フードプロデューサー]

青山学院大学文学部卒業。トヨタ自動車(株)広報、国際会議運営ディレクター、海外留学を経て、現職。企業や飲食店への事業提案、メニュー開発、一連のフードプロデュースのほか、諸外国のテーブルマナーと食文化を主に総合的に“食”を学ぶ教室「食輝塾」を主宰。食環境と心の大切さを柱に、食事作法のほか、動向分析、伝統食からトレンド情報、食育など専門は幅広い。亜細亜大学、戸板女子短期大学講師。東京食育推進ネットワーク幹事。著書に『グルメ以前の食事作法の常識』(講談社)など多数。
小倉朋子の公式サイト『トータルフード&ホスピタリティ』


News&Analysis

刻々と動く、国内外の経済動向・業界情報・政治や時事など、注目のテーマを徹底取材し、独自に分析。内外のネットワークを駆使し、「今」を伝えるニュース&解説コーナー。

「News&Analysis」

⇒バックナンバー一覧