
セブン・ネットショッピングは5月28日、店舗での雑誌の受け取りや定期購読サービスを終了することを発表した。さらに、ダイヤモンド編集部の取材によると電子書籍サービスからも撤退し、外部サイトへの引き継ぎを検討していることがわかった。サービス終了の裏にある、トーハンとセブン双方の懐事情を詳報する。(ダイヤモンド編集部 下本菜実)
コンビニ約1万店から
雑誌の棚が消失
セブン-イレブン・ジャパン傘下でネット通販事業を行うセブン・ネットショッピングは5月28日、セブン-イレブン店舗での雑誌の受け取りや定期購読サービスを終了することを発表した。
5月28日付で新規注文受け付けを終了し、すでに注文を受け付けている定期購読は2026年5月31日発売号をもって、サービスを終える。
さらに、ダイヤモンド編集部の取材によると、セブン・ネットショッピング内の電子書籍サービスからも撤退し、外部サイトへの引き継ぎを検討していることが分かった。
かつて、雑誌やコミック誌はコンビニへの来店需要を高めるための重要なアイテムだった。しかし、電子コミックサービスやネットメディアの台頭により、コンビニでの立ち読み需要は縮小した。近年、コンビニと出版業界を取り巻く環境は変革期を迎えている。
出版取次大手の日販(日本出版販売)は、25年2月にコンビニへの配送から撤退し、日販が請け負っていたローソンとファミリーマートへの配送は、同業の出版取次大手であるトーハンが引き継いだ。しかしそのトーハンも、倉庫の容量や輸送コストの採算が悪化していたことから、日販から引き継いだ約3万店のうち、約1万店への配送終了を決定した。これは約1万店の店舗から、雑誌の棚が消えたということだ。
なぜ、セブンは確実に売り上げが見込める定期購読サービスの終了にまで踏み込んだのか。トーハンとセブン-イレブン双方の懐事情を詳報する。