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あれか、これか ― 「本当の値打ち」を見抜くファイナンス理論入門
【第26回】 2016年6月3日
著者・コラム紹介バックナンバー
野口真人 [プルータス・コンサルティング代表取締役社長/企業価値評価のスペシャリスト]

レバレッジ、ポートフォリオ、ハイリスク…
知っているようで知らない言葉たち

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「その戦略はハイリスク・ハイリターンだ」「事業ポートフォリオを見直そう」「レバレッジをかけてみよう」――ふだん耳にするこれらの言葉は、ファイナンスの用語でもある。

そもそもこれらにはどんな意味があるのだろうか?早くも3刷の重版が決まったファイナンス理論の入門書『あれか、これか』のなかから紹介していこう。

人様のお金は「てこ」に似ている

前回はMM理論の第2命題の核心が、いわゆる「ハイリスク・ハイリターンの法則」であるということを見てきた。今回はそれを、もう少し別の角度から見ていくことにしよう。

▼前回記事
「いつも70点」と「たまに100点」
本当に優秀な子はどっち?
http://diamond.jp/articles/-/90229

まず考えてみてほしいのが、リスク・リターン平面だ。横軸にリスク(変動率の標準偏差)、縦軸に期待リターンをとった座標平面を用意しよう。

ごく単純化した投資空間を想定し、国債と株式Gという2つの金融商品だけが存在しているとする。手元資金は100万円だ。

リスクフリーレート(無リスク金利≒国債金利)が1%のとき、100万円をすべて国債購入に充てれば、あなたの投資ポジションはこの平面中の点oに位置することになる。

一方、1株100万円の株式Gは、リスク10%・期待リターン5%(配当予想5万円)である。これに100万円全額をつぎ込んだ場合、あなたの投資ポジションは「株式G×1株」になる。

世界にこの2つの商品しかない以上、このほかの投資はあり得ない。

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野口真人(のぐち・まひと) [プルータス・コンサルティング代表取締役社長/企業価値評価のスペシャリスト]

1984年、京都大学経済学部卒業後、富士銀行(現みずほ銀行)に入行。1989年、JPモルガン・チェース銀行を経て、ゴールドマン・サックス証券の外国為替部部長に就任。「ユーロマネー」誌の顧客投票において3年連続「最優秀デリバティブセールス」に選ばれる。

2004年、企業価値評価の専門機関であるプルータス・コンサルティングを設立。年間500件以上の評価を手がける日本最大の企業価値評価機関に育てる。2014年・2015年上期M&Aアドバイザリーランキングでは、独立系機関として最高位を獲得するなど、業界からの評価も高い。これまでの評価実績件数は2500件以上にものぼる。カネボウ事件の鑑定人、ソフトバンクとイー・アクセスの統合、カルチュア・コンビニエンス・クラブのMBO、トヨタ自動車の優先株式の公正価値評価など、市場の注目を集めた案件も多数。

また、グロービス経営大学院で10年以上にわたり「ファイナンス基礎」講座の教鞭をとるほか、ソフトバンクユニバーシティでも講義を担当。目からウロコの事例を交えたわかりやすい語り口に定評がある。

著書に『私はいくら?』(サンマーク出版)、『お金はサルを進化させたか』『パンダをいくらで買いますか?』(日経BP社)、『ストック・オプション会計と評価の実務』(共著、税務研究会出版局)、『企業価値評価の実務Q&A』(共著、中央経済社)など。


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