ダイヤモンド社のビジネス情報サイト
一流の育て方
【第12回】 2016年5月13日
著者・コラム紹介バックナンバー
椎木隆太 [株式会社ディー・エル・イー代表取締役],ムーギー・キム

子どもはおおいに「勘違い」させよ!
【椎木隆太氏×ムーギー・キム氏】特別対談(前編)

1
nextpage

「一流」とされる各界のリーダーたちは、どんな家庭教育を受けて育ってきたのか?単なる受験勉強に終わらず、主体性やグリット(やり抜く力)などの「非認知能力」を伸ばすにはどうしたらいいのか? そんな疑問から実施された膨大なアンケート調査をもとに、「本当に子どものためになる教育」のあり方と、「育児に留まらない、ビジネスパーソンのリーダーシップ育成法」の本質を論じたベストセラー、『一流の育て方』
発売わずか2か月で13万部を突破し、子どもを持つ親世代や孫を持つシニアの方々のみならず、「主体性」を伸ばしたい、幅広いビジネスパーソンに大きな話題を呼んでいます。
その著者の一人であるムーギー・キムさんと「将来、自己実現できる子どもを育てるために、親は何をすべきか?」というテーマで語り合うお相手は、娘の里佳さんと『女子高生社長、経営を学ぶ』を出版するなど、パパとしての顔も知られるようになった株式会社DLEのCEO・椎木隆太さん。椎木さんはいったいどのように育てられ、また里佳さんをどのような教育方針で育ててきたのでしょうか?(構成:田中裕子、写真:柳原美咲)

「勘違いゆえの全能感」を主体性のエネルギーに変える

ムーギー『一流の育て方』を書くにあたって、有名大学に入っただけでなく、起業やNPOなどで様々なリーダーシップを発揮している学生たちにアンケートをとりました。今度はぜひ親の話も聞きたいということで、「大変ユニークな女子高生社長を育てられたパパ」として、いま最も有名な椎木さんにお話を伺いたいと思います。

椎木 ありがとうございます。でも、里佳が一流かどうかは僕もまだわからないんですよ。それでも大丈夫ですか?

ムーギー もちろんです。タイトルで誤解されてしまうことが多いのですが、この本では、いわゆる「いい大学に進学したエリート」を「一流」と呼んでいるわけではありません。本書における「一流」の定義は、自分の望む場所で自己実現できる人のことを指します。本書は主体性ややりきる力、といった、自己実現のために必要な、いわゆる「非認知能力」を育てるためにはどうしたらいいのかを、まとめた一冊なんです。

 そもそも子どもに一流も二流もへったくれもありません。「一流」を育てるより、「育て方」の目線を「一流に高める」のが、本書の目的です。

椎木 ああ、なるほど。

ムーギー そういう意味で、里佳さんが非常に主体的に生きていらっしゃる点に興味を持ちました。椎木さんは、里佳さんにはどんな教育をされてきたんですか?

椎木 そうですね。まずなにより、彼女には「勘違い」してもらいたかったんです。

ムーギー 勘違い?

椎木隆太(しいき・りゅうた)
株式会社ディー・エル・イー代表取締役。1966年生まれ。慶應義塾大学経済学部卒業。1991年ソニー株式会社入社。シンガポール、ベトナム駐在などを経て2001年退社。同年、有限会社パサニア(現株式会社ディー・エル・イー)創業、代表取締役就任。「秘密結社 鷹の爪」「パンパカパンツ」などをヒットさせ、2014年3月東証マザーズに上場、2016年4月東証第一部に市場変更。2015年6月には「東京ガールズコレクション」を買収し、株式会社TOKYO GIRLS COLLECTION設立、代表取締役就任。女子高生社長として有名になった娘、椎木里佳さんとの共著『女子高生社長、経営を学ぶ』が現在発売中。

椎木 そう、思いっきり勘違いをしてほしかった。なぜかというと、僕自身が勘違いして育ったからなんです。あの、ここからは僕の「勘違い話」として聞いてほしいんですけど……。

ムーギー ええ、ええ。

椎木 うち、親が経営者だったんですよ。シイキ写真館という、私が育った町ではちょっとした存在の写真館でした。その町の基準ではお金持ちで、結構知名度があったんです。いま振り返ってみると、たいしたお金持ちでもなければ名家でもありません。町の外に出れば誰も知りませんしね。ただ、当時の自分にとっては「僕はすごい!」と勘違いできる環境です。しかも、親から「勉強しろ」なんて言われたことがないのに、成績もよかった。勘違いしたまま、高校まで過ごせたんです。

ムーギー ああ、ほどよい全能感を持ったまま。

椎木 でも、大学に入学すると、そこには自分よりすごい人がたくさんいました。井の中の蛙が池デビューして、「なんじゃこりゃ!」と驚いたわけです。ところが、「自分はすごい!」という勘違いをエネルギーにしてがんばったら、最終的に「池でもチャンピオンになったんじゃない?」と思えた。ソニーに入社したときも、はじめは「こんなに優秀な人がいるんだ!」と海の広さにぶったまげたけれど、一生懸命働いたら「オレ、先頭を走っているんじゃない?」と思えた。

ムーギー 「自分はすごい」という勘違いのエネルギーを、努力に転換したわけですね。

椎木 はい。僕は、勘違いし続けられたからこそ、いまの自分があると感じています。壁に突き当たったときに自分を信じる力や、起業するときの行動力というエネルギーは、「勘違いゆえの全能感」から湧いたと言ってもいいでしょう。

1
nextpage
スペシャル・インフォメーションPR
ダイヤモンド・オンライン 関連記事
まいにち小鍋

まいにち小鍋

小田真規子 著

定価(税込):本体1,100円+税   発行年月:2016年11月

<内容紹介>
簡単で安くて、ヘルシー。ポッカポカの湯気で、すぐにホッコリ幸せ。おひとりさまから共働きのご夫婦までとっても便利な、毎日食べても全然飽きない1〜2人前の小鍋レシピ集!「定番鍋」にひと手間かけた「激うま鍋」。元気回復やダイエットに効く「薬膳鍋」や、晩酌を楽しみたい方に嬉しい「おつまみ鍋」など盛り沢山!

本を購入する
ダイヤモンド社の電子書籍
(POSデータ調べ、11/20~11/26)


注目のトピックスPR


椎木隆太 [株式会社ディー・エル・イー代表取締役]

慶応義塾大学経済学部卒業。「秘密結社 鷹の爪」などをはじめとする、さまざまなキャラクターを保有。1991年4月ソニー株式会社入社。1992年よりソニーインターナショナルシンガポール駐在。1995年ソニーベトナム・ハノイ支社長就任。2001年ソニー株式会社退職後、有限会社パサニア(現株式会社ディー・エル・イー)を設立し、代表取締役就任。現在に至る。

ムーギー・キム

1977年生まれ。慶應義塾大学総合政策学部卒業。INSEADにてMBA(経営学修士)取得。大学卒業後、外資系金融機関の投資銀行部門にて、日本企業の上場および資金調達に従事。その後、世界で最も長い歴史を誇る大手グローバル・コンサルティングファームにて企業の戦略立案を担当し、韓国・欧州・北欧・米国のほか、多くの国際的なコンサルティングプロジェクトに参画。2005年より世界最大級の外資系資産運用会社にてバイサイドアナリストとして株式調査業務を担当したのち、香港に移住してプライベートエクイティファンドへの投資業務に転身。フランス、シンガポール、上海での留学後は、大手プライベートエクイティファンドで勤務。英語・中国語・韓国語・日本語を繰る。グローバル金融・教育・キャリアに関する多様な講演・執筆活動でも活躍。著書に『世界中のエリートの働き方を1冊にまとめてみた』(東洋経済新報社)がある。


一流の育て方

竹中平蔵教授が「『親の教科書』といえる稀有な良書」と評し、『「学力」の経済学』著者、中室牧子氏が「どうやって子どもをやる気にさせるのか、その明快な答えがここにある」と絶賛! “グローバルエリート”ムーギー・キム氏と、子育て連載でバズ記事連発のミセス・パンプキン氏が膨大な「家庭教育調査」から著した画期的な一冊『一流の育て方 ビジネスでも勉強でもズバ抜けて活躍できる子』を育てるから、そのノウハウを大公開する。

「一流の育て方」

⇒バックナンバー一覧