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一流の育て方
【第13回】 2016年5月16日
著者・コラム紹介バックナンバー
椎木隆太 [株式会社ディー・エル・イー代表取締役],ムーギー・キム

家族をプロデュースしてきた椎木パパは、
どのように主体性を「育てられた」のか?
【椎木隆太氏×ムーギー・キム氏】特別対談(後編)

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発売わずか2か月で13万部を突破した、『一流の育て方』。著者の一人であるムーギー・キム氏と、娘の里佳さんとの共著『女子高生社長、経営を学ぶ』が話題になった、フラッシュアニメ「秘密結社鷹の爪」で知られる株式会社DLEのCEO・椎木隆太氏による対談の後編です。「勘違いのパワーで主体性を育む」椎木家の子育てはなぜ生まれたのか、原点を探るうちに話は椎木氏の育った環境へ。なぜ椎木氏は、主体性を持つことに注目するようになったのか? そこには、「椎木パパの父」の存在がありました。(構成:田中裕子、写真:柳原美咲)

理想の家族をつくるために努力する

ムーギー 椎木さんは仕事がお忙しいなか、子育てにもかなり深く参加されているんですね。

椎木 僕は、人生の基盤は家庭にあると考えています。どんな仕事より家族が大事だし、人生の中でもっとも家族に努力とエネルギーを注ぎたい。それで、表現は正しくないかもしれないけれど、昔から「家族をプロデュースする意識」が強くて。

ムーギー ほう。「家族をプロデュース」とは、どういうことでしょう?

椎木隆太(しいき・りゅうた)
株式会社ディー・エル・イー代表取締役。1966年生まれ。慶應義塾大学経済学部卒業。1991年ソニー株式会社入社。シンガポール、ベトナム駐在などを経て2001年退社。同年、有限会社パサニア(現株式会社ディー・エル・イー)創業、代表取締役就任。「秘密結社 鷹の爪」「パンパカパンツ」などをヒットさせ、2014年3月東証マザーズに上場、2016年4月東証第一部に市場変更。2015年6月には「東京ガールズコレクション」を買収し、株式会社TOKYO GIRLS COLLECTION設立、代表取締役就任。女子高生社長として有名になった娘、椎木里佳さんとの共著『女子高生社長、経営を学ぶ』が現在発売中。

椎木 僕にとって理想の妻との関係は、いつまでたっても恋人同士であり、同時にすばらしい父と母であることでした。付き合って30年経ちますが、その理想に向かって30年かけて関係を築き上げてきたわけです。昨日もふたりでコンサートに行きましたし、娘もあきれるくらい、いまでも熱々のカップルです。

ムーギー 素敵ですねえ。

椎木 親子関係も同じです。僕は、子どもは主体性を持って考えて行動し、親は愛情を注ぎ、言いたいことはあれど信頼して見守る関係が「理想の親子関係」だと考えています。そんな関係でいるために努力してきた意識はありますね。

ムーギー 意志の力で、努力してつくりあげてきた、と。

椎木 はい。「秘密結社鷹の爪」や「パンパカパンツ」といったコンテンツをプロデュースしたり、DLEという会社を創業し東証一部上場するまでにプロデュースしているけれど、なんといっても人生で最高のプロデュース作品は家族。これには自信があります。

ムーギー 「家族がいちばん大切」とは、仕事で大成功している一流のプロフェッショナルは、多くの方がおっしゃいます。たしかに家族を大事にできるということは、最も身近な人との信頼を築き、維持できるということ。ビジネスにも直結する能力です。

椎木 そうかもしれません。だから、愛情表現も意識してやっていましたよ。「言わなくてもわかる」という意識は捨てて、密なコミュニケーションを心がけていました。「好き」「ありがとう」「おいしい」は基本ですね。あとは……甘えたり。

ムーギー えっ。………………甘える??

椎木 妻と歩いているときに僕のほうから腕を組んだり、手をつないだり。

ムーギー それも意図的に「プロデュース」を狙ってですか?

椎木 最初はそうだったかもしれません。でも、いまは100%自然にそうしています。甘えるのが幸せで(笑)。

ムーギー そこを掘り下げてお伺いしたいのですが、キャラクターをプロデュースするように「理想の椎木パパ」をプロデュースしているイメージですか? それは、自然な自分の姿とは違う?

椎木 うーん、なにが本当の自分かってわからないですよね。僕はCEOですから、会社では頼りになり、尊敬される対象である必要があります。身なりや行動、言葉、すべてプロフェッショナルとして意識しなければならない。これはある意味、「プロの経営者」を演じているとも言えますよね?

 反対に、家では好きなものを「好き」と言っておいしいものを「おいしい」と言う、赤裸々な自分を演じているわけです。でも、いずれも本当の自分です。社会に対しても、妻に対しても、子どもに対しても、自分は相対的なものだと思っています。

ムーギー 自分は相対的なもの。なるほど。

椎木 根底にあるのは、目の前の人、周りの人に「喜んでもらいたい」という思いです。僕は、根っからのエンターテイナーなんですよ。里佳は「私のことをわかってくれる人だけわかってくれればいい」というタイプですが、僕はあらゆる人に喜んでもらいたい。僕がつくったコンテンツを見た、すべての人に気に入ってほしいんです。イヤだと思う人がいたら、なぜイヤだったのか聞いて「次回の作品でがんばりますから、チャンスをください!」と言いたいくらい(笑)。

ムーギー そこは親子でまったく違うんですね。

椎木 今日だって、ムーギーさんに「いい時間だった」と思ってほしいですからね。どうやったら相手に近づけて、好かれて、また会いたいと思ってもらえるか。そこは意識して、全力で取り組みます。でも、それは全然苦じゃなくて、最高に幸せなんですよ。さっきから「演じている」と言っていますが、あれは自分を分析した結果の言葉で、演じているという意識はありません。

 だから、ムリしているわけでも、自分を偽っているわけでもなくて。相手のパズルのピースを意識して、そこにぴったりハマるコミュニケーションをとるイメージですね。それは、仕事相手でも家族でも同じです。

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椎木隆太 [株式会社ディー・エル・イー代表取締役]

慶応義塾大学経済学部卒業。「秘密結社 鷹の爪」などをはじめとする、さまざまなキャラクターを保有。1991年4月ソニー株式会社入社。1992年よりソニーインターナショナルシンガポール駐在。1995年ソニーベトナム・ハノイ支社長就任。2001年ソニー株式会社退職後、有限会社パサニア(現株式会社ディー・エル・イー)を設立し、代表取締役就任。現在に至る。

ムーギー・キム

1977年生まれ。慶應義塾大学総合政策学部卒業。INSEADにてMBA(経営学修士)取得。大学卒業後、外資系金融機関の投資銀行部門にて、日本企業の上場および資金調達に従事。その後、世界で最も長い歴史を誇る大手グローバル・コンサルティングファームにて企業の戦略立案を担当し、韓国・欧州・北欧・米国のほか、多くの国際的なコンサルティングプロジェクトに参画。2005年より世界最大級の外資系資産運用会社にてバイサイドアナリストとして株式調査業務を担当したのち、香港に移住してプライベートエクイティファンドへの投資業務に転身。フランス、シンガポール、上海での留学後は、大手プライベートエクイティファンドで勤務。英語・中国語・韓国語・日本語を繰る。グローバル金融・教育・キャリアに関する多様な講演・執筆活動でも活躍。著書に『世界中のエリートの働き方を1冊にまとめてみた』(東洋経済新報社)がある。


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