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野口悠紀雄が探る デジタル「超」けもの道

ご用心!「グーグル」の検索結果があなたの目を曇らせている?

野口悠紀雄 [早稲田大学ファイナンス総合研究所顧問]
【第36回】 2008年8月4日
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 グーグルなどの検索エンジンの検索結果は、(ウエイト付けされた)リンク数の順に並んでいる。この順位は、多くの人が重要と考える順と、多分、一致している。少なくとも、それほど大きな差はないはずだ。

 グーグルが登場したときの驚きは、いまでも鮮明に覚えている。それまでの検索エンジンでは自分の求めるものがどこに表示されているのかわからない場合が多かったが、グーグルではきちんと上位に出てくる。実際、企業や大学の名で検索すれば、その企業や大学のホームページが最上位に来るから、順位は重要度の順であると納得できる。

 そのように信じて検索を続けている間に、これが常に自分が調べたい目的の重要度順に並んでいるような錯覚に陥ってしまう。そして、その正しさを疑うことを、忘れる。グーグルの検索が登場してすでに何年もたつので、ほとんどの利用者は、その順位について疑問を投げかけることを忘れ、結果の順位を疑問なく受け入れている。

 しかし、言うまでもないことだが、グーグルの評価は、必ずしもサイトの質の評価ではない。「みんなが投票した結果は多分正しい」というのはそのとおりだが、リンクは必ずしもそのサイトが有用であることに対する投票とは限らない。実際、リンクしている人が何のためにリンクしているかも、場合によって異なるだろう。必ずしもそのサイトが重要だからリンクしているとは限らない。

 したがって、グーグルの検索結果の順が、実はサイトの重要度とはかなりずれたものになっている可能性は、けっして否定できない。われわれは、これまでそれを確かめる手段を持っていなかったので、確かめようがなかっただけのことだ。新しい検索エンジン「Cuil」が登場したときでもあり、これまでの検索エンジンの結果について、考え直してみるのも意味があることだろう。

グーグルの検索結果と
ニューヨーク・タイムズの検索結果を比べる

 この連載の第20回で、ウェブサイトのすべてを検索の対象とするのでなく、重要な情報がありそうなところに限定して検索するほうがよい場合があると述べた。新聞社のサイトは、その条件を明らかに満たしている。そこに掲載されている情報は、一定の基準をパスしたものだけと考えていいはずだ。

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野口悠紀雄 [早稲田大学ファイナンス総合研究所顧問]

1940年東京生まれ。63年東京大学工学部卒業、64年大蔵省入省、72年エール大学Ph.D.(経済学博士号)を取得。一橋大学教授、東京大学教授、スタンフォード大学客員教授、早稲田大学大学院ファイナンス研究科教授などを経て、2011年4月より早稲田大学ファイナンス総合研究所顧問、一橋大学名誉教授。専攻はファイナンス理論、日本経済論。主な著書に『情報の経済理論』『財政危機の構造』『バブルの経済学』『「超」整理法』『金融緩和で日本は破綻する』『虚構のアベノミクス』『期待バブル崩壊』等、最新刊に『仮想通貨革命』がある。野口悠紀雄ホームページ

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