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猛暑の最中に口火を切った
保温高機能肌着の「冬の陣」

週刊ダイヤモンド編集部
2010年9月2日
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 猛暑日が続く真夏の真っ盛りの7月末、発熱・保温性能を備えた高機能肌着市場を巡る「冬の陣」の火蓋が早くも切って落とされた。

 先陣を切ったのはイトーヨーカ堂の「ボディヒーター」。7月29日から全国164店舗で販売を始めた。昨年は「パワーウォーム」という名称で計画の250万枚を完売した。今年は、「熱」を連想させる「ヒーター」を名前につけることで、より顧客に訴求しやすくし、昨年比76%増の440万枚の販売を目指している。

 じつは、同社が昨年高機能肌着の販売を始めたのは8月末のこと。今年は1カ月も発売を前倒ししたことになる。秋の本格シーズン到来前に、事前告知で認知度を高めておくのが狙いだ。

 2番手は、高機能肌着の本家本元、ユニクロである。8月16日から全国の店舗で販売を開始した。例年、秋冬シーズンが本番を迎える10~11月にプレス発表し、それに合わせて商品を本格投入していたが、今年は8月に前倒しした。

 理由はシンプルで、真夏でもニーズがあると判断したからである。昨年、試しに真夏にヒートテックを発売したところ、半袖やキャミソールが思いのほか売れた。品切れ前に購入しようという顧客のほかに、「冷房の室内でも体が冷えなくて済む」という声もあった。そこで今年は、半袖やキャミソールに加え、レギンスやソックスと品揃えも増やし、盛夏の8月に本格発売を開始した。

 昨年5000万枚を完売したユニクロの「ヒートテック」の今年の販売計画は、なんと7000万枚。今のところ出足は好調で、同社の週次の売り上げデータで、早くも上位に入ってきている。

 「ヒートファクト」を昨年1000万枚売り上げたイオンも、間もなく販売を開始する模様で、当然ながら昨年を大きく上回る販売計画を立てている。

 ユニクロ、イトーヨーカ堂、イオンの3社の販売計画を積み上げただけで9000万枚近くに達しており、その他のメーカーも含めると、今年の高機能肌着市場が1億枚の大台に乗ることはほぼ間違いない。5年前のおよそ20倍の規模だ。平均単価を1000円とすれば、1000億円の巨大市場となる。

 だが、期待通りに市場が広がらない可能性もある。ここにきて、各社の開発競争が一服し、製品の差別化が難しくなってきているからだ。ユニクロの今年のキャッチコピーは、「本物の暖かさ、本物の気持ちよさ」で、暖かさと気持ちよさという高機能肌着の原点を訴求しつつも、本家を強調するための「本物」であることをいちばんの売りにしているように見える。

 高機能肌着が、真に市場として認知されるか否か。今年の「冬の陣」でそれが明らかになるだろう。

(「週刊ダイヤモンド」編集部 前田剛)

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