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中国の鉄鋼生産過剰批判で日本が慎重になる理由

週刊ダイヤモンド編集部
2016年6月29日
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 日本の鉄鋼業界で、「中国の生産能力過剰を批判するだけでは反発を招き、かえって削減が遅れかねない」(林田英治・JFEホールディングス社長)という懸念が高まっている。

中国の昨年の粗鋼生産量は8.1億t。輸出量は日本の粗鋼生産量に匹敵する Photo:AP/アフロ

 5月の伊勢志摩サミットで、参加国は中国の鉄鋼生産能力削減の遅れを指摘し、是正を求めた。中国の鋼材輸出量は4年間で倍増して1億トンを超え、鋼材価格の低下を招いていることが背景にある。

 9月の経済協力開発機構(OECD)の会合でも鋼材のダンピング輸出への対応が議論される予定。米国は大統領選挙が近づくにつれ、さらに強硬になりそうだ。

 だが、実はこの問題で、日本と欧米の対中姿勢には温度差がある。

 日本は中国に進出した日系自動車メーカーの工場向けに鋼材を出荷しており、輸出超過だ。このため、外交の舞台で中国を批判し、改革を迫ることには慎重だった。一方、欧米は中国製鋼材の輸入急増で数千人の雇用が失われ、政治問題化している。国際会議のたびに中国を強く批判するのは国内向けのパフォーマンスの要素が強い。

 こうした違いがあるために、日本は伊勢志摩サミットで、知恵を絞らなければならなかった。

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